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[オピニオン]血管掃除

Posted May. 18, 2005 22:34,   

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昨年、SF映画『アイ、ロボット』が話題になった時期がある。2035年、人間がロボットに助けられて生きていく風景を描いた作品だ。ロボットが主人のために料理をし、子育てをする。人間型ロボットと共にナノロボットも登場する。10億分の1m大きさの超小型ナノロボットは、非正常な巨大ロボットの「頭脳」に注入され、システムを無力化する役割をする。同映画は韓国でも170万人の観客が見ているほど興行的に成功した。

◆米国の有名科学者であるレイ・カーツワイル氏が著書『夢の旅:永遠に生きられるまで長生きしよう』で人間の不滅の日が近づいていると主張した根拠も、このナノロボットである。彼は20年内に白血球よりも小さいナノロボットが開発され、医療分野に画期的な変化をもたらすだろうと予告した。多くのナノロボットが血管内でがん細胞や悪いウイルスを取り除き、必要な薬物を傷害部分に運んで病気を治すと。

◆国家科学技術委員会は先日、映画で見るようなハイテク科学技術時代が、韓国でも近く実現されるという内容の報告書をまとめた。20年後、無病長寿の時代が開かれ、宇宙旅行も日常化すると予測した。特に、血管を掃除するナノロボットの開発と自分の幹細胞を使った新しい臓器培養の可能性も目を引く。そうなれば、血管疾患が病名から完全に消えるかもしれない。しかし、それまではどう耐えるのか。『新東亜』6月号は、「顔のない殺人魔」として知られている高脂血症の原因と症状、予防法などを特集で取り上げている。

◆不老長寿は古くから人間の夢だった。科学技術や医学の発達により、その夢が現実として現れている。韓国も平均寿命が1930年代の35歳前後から、02年の77歳へと延びた。しかし、寿命の延長が必ずしも祝福に値するのか。韓国の老人自殺率が経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も高いという事実は何の物語っているのか。どう生きるかを考えると、長寿時代の予告がうれしいばかりではない。

宋大根(ソン・デグン)論説委員dksong@donga.com