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[オピニオン]ツケのお金

Posted May. 17, 2005 23:27,   

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ある人は裸にしても三十里は行くという諺がある。昔、あるお店の主人が10年余りも前にツケ金を踏み倒した人に偶然に会った。主人が裸のまま三十里を追い掛け、ツケ金を返済してもらってきたという話から出た諺だ。帳付けなら牛もつぶしてしまうという諺がある。農耕社会では、現金取引より秋の取り入れの後に返す帳付けがもっと普遍的な取り引き手段だった。今はクレジットカードという名前の現代版ツケ売りが生じた。クレジットカードで牛をつぶしているうちに信用不良者になった人々の話も多い。

◆今も帳付けが完全に消えたのではない。最近、子どもたちは小学校前の文房具屋で帳付けを学ぶ。文房具屋としては行き付けを確保できる手段で、お金を持って来なかった子供たちは帳付けで学習用品を準備できる。町内の店では顔見知りの住民に帳付け残額が一定額を越えなければ、いつでも帳付けをしてくれる。むしろ顧客が遠ざかるのを恐れ、掛け金を全額返すことを嫌がる店もある。

◆不渡り危機に瀕した企業に真っ先にかかって来る電話は、居酒屋のツケの返済の催促だという話もある。昔、給料を封筒に入れて渡した時代には、近くの居酒屋と食堂の主人たちが会社の近くに陣を張った時代もあった。昨年10月、遊郭で女性団体会員と周辺商人たちの間にいざこざが起きた。商人たちは風俗女の掛け金をもらおうと、引っ越しのトラックを止めた。しかし、公務員は身分が確かで、お店の主人たちにとっては一番信用して帳付けをすることができる人たちだ。

◆政府果川(クァチョン)庁舍の前で食堂を営むホさんが、ある政府省庁のホームページにツケ金の支払いを催促する内容を書き込んだ。公務員たちの帳付けが多く、経営が苦しいという。実際に、果川庁舍周辺の主要飲食店ごとに数千万ウォンのツケがあるという。良き時代には、公務員が帳付けをしておけば、代わりに返してくれる人々もいたものだ。社会の透明度が高まりながら、そのようなことは段々消えている。でも、ツケ金の返済しろと、インターネットに書き込んだのは少し度を過ぎた感がする。

林奎振(イム・ジンギュ)論説委員 mhjh22@donga.com