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[オピニオン]アメリカンドリーム

Posted May. 16, 2005 23:31,   

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「お母さんはアメリカで私がしたいことは何でもできると言った。お父さんは成功とは99%の努力と1%の才能だと言った。お母さんが私に夢を植え付けてくれたとすれば、お父さんは夢をつかむ方法を教えてくれた」。『労働の終わり』などベストセラーを書いたジェレミー・リフキンの懐古談だ。両親が引き立ててくれたアメリカンドリームのおかげで、金持ちでも上流階級出身でもない彼は、世界的に有名な知識人として成功した。リフキンがこの話を紹介した本の題名が何と「ヨーロピアンドリーム」だ。

◆アメリカンドリームという言葉は1931年「米国の敍事詩」で初めて登場した。著者のジェームズ・トルスロ・アダムズは、本の題名を「アメリカンドリーム」と付けようとしたが、出版社の反対でできなかった。「夢を読むのに3ドル50セントのお金を出す米国男性はいない」という理由だった。しかし今日も移住者たちはアメリカンドリームを信じて米国に群がってくる。メキシコ政府が「米国の国境をうまく越える方法」をパンフレットで出したほどだ。メキシコ人たちが米国で儲けて祖国に送る金が年間140億ドルだ。米国人のいやがる雑役に集中しているが、働きたくても働く所がない国よりはましだ。

◆当の米国人のうち3人に1人はアメリカンドリームを信じない。いくら努力しても成功することができないからだそうだ。親の世代の所得や階層が世襲される場合が半分以上であるため、アメリカンドリームは死んだという話が出るのも当然だ。リフキンが物質的成功より暮らしの質を強調するヨーロピアンドリームを代案として挙げたのもこのためだ。

◆階級が世襲されるといっても、身分のように相続されるということではない。教育を通じて培われた実力によって結果的に親と同じようになるということに注目する必要がある。つまり、金持ちの地域に住まない学生も潜在力を育てることができるように、公教育の質を高めることが重要だ。多様な大学選考方法で「各界各層」の人才を捜し出すのは大学の仕事だ。ニワトリ工場で働くメキシコ移住者たちの子どもたちも良い教育を受けることができる限り、アメリカンドリームはまだ健在だ。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com