Go to contents

テコンドー、体で書く歌

Posted May. 10, 2005 23:17,   

한국어

世界的な演出家が作るテコンドー素材の非言語劇(non verbal performance)として制作発表会の時から大きな関心を集めた『ザ・ムーン(The Moon)—銀色の月の騎士たち』がその姿を現し始めた。

『ザ・ムーン』は京畿道(キョンギド)文化の殿堂が、『スノーショー』で世界的な名声を得たロシアの演出家、ヴィクター・クラメルに依頼して作った作品。計10億ウォンの制作費が投入された。20日、ソウル国立劇場での初公演を控えて、最後の準備に励んでいる『ザ・ムーン』の練習現場を訪れた。

▲テコンドー有段者7人の武術段数だけでも47段

7日午後4時、京畿道「文化の殿堂」の練習室。ドアを開けるや否や、パスのにおいが鼻を突いた。毎日10時間以上走って、転んでいるという説明は、まはや聞く必要もなかった。

「オーケー。品勢(プムセ、テコンドーの姿勢)!イチニーサンシー、ゴーロクシチハチ。モーイチド。」

演出家クラメルと一緒に来韓した碧眼の振付師が拍子を合わせていた。韓国語がまったくしゃべれなかった彼だったが、今は一から八までの数字と「もう一度」、「ゆっくり」、「はやく」、「一緒に」などの韓国語は上手に話せるようになった。

練習中の場面は7人のテコンドー勇士らが、7人の巨人と立ち向かって戦う「鏡」エピソード。黒い服の巨人がマントを広げると、大型の鏡が登場し、勇士らは鏡に映った自分と「創作品勢力」で対戦する。「すべての戦いは結局自分自身との戦い」という哲学が盛り込まれている場面。「金剛(クムガン)マッキ」、「ソンナルマッキ」、「ティフリギ(後ろ廻し蹴り)」など、テコンドーの基本動作が舞踊と出会い、時には優雅に時には激烈に表現される。

勇士らは光を吸収する黒い服を着たまま、手と足にのみ白い包帯を巻いていて、客席から見ると、あたかも手と足だけが動いているようだった。強いビートの打楽演奏に合わせてヒュッヒュッと回る手足の動線が、虚空に白く円を描きながら強烈な視覚的効果を編み出した。

続いて一番スペクタクルな場面とされている「フェスティバル」エピソードの練習が始まった。赤い竹の棒を両手に持った20人の俳優が精巧に交差しながら、テコンドーと現代舞踊が一つになった華麗な群舞を踊る。

この作品にはテコンドー有段者7人、舞踊家10人、俳優4人の合わせて21人が出演する。テコンドー有段者らの武術段数だけ合わせても47段。

▲テコンドーが創り出す幻想と冒険、そして想像

『ザ・ムーン』は日が暮れる頃、卵から生まれたテコンドー騎士らが次の日、日が上る頃まで経験する一夜の出来事を13のエピソードで描いている。演出家クラメルは、「新しい伝説を創り出す思いで、韓国の神話をたくさん読んだ。英雄が大きな卵から生まれるのも朴赫居世(パク・ヒョコセ)など韓国の神話からモチーフを取ったもの」と話した。

騎士たちは世俗的な権力や社会問題を象徴する石ころや屋根模様の化け物に立ち向かって戦ったり、官能を象徴する草の衣装をまとった女性に出会ったりもする。特に、「屋根」のエピソードでは、二人の騎士が60枚以上の瓦(松板)を連続動作で砕く華麗な撃破の実力を披露する。

最後は太陽が昇る川端での派手なジャンプ。魚が水面を蹴って上がるように騎士たちはだんだん高難度の技を披露しながら、計21回の力強いジャンプをする。

京畿道「文化の殿堂」のホン・サジョン社長は、「従来のテコンドー・パフォーマンスは専門的な公演物としては完成度が落ちていたが、『ザ・ムーン』は優れた想像力と見所、そして感動が味わえる舞台になるだろう。今年は修正を続けて、来年は海外舞台に進出する計画だ」と述べた。20〜25日、ソウル奨忠洞(ジャンチュンドン)国立劇場ヘオルム劇場、031—230−3200。



sjkang@donga.com