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[オピニオン]記憶力

Posted April. 28, 2005 23:37,   

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「覚えておりません(記憶にございません)。」国会の国政調査や聴聞会でよく耳にする言葉だ。証人や聴聞対象者が議員たちの追及を避ける話し方だ。本当に記憶がないからでもあり、知っていながら隠すためかも知れない。しかし、ほとんどが後者と考えても間違いではないだろう。3年前に国務総理の人事聴聞会の時だ。当時、総理候補者は財産問題に関する質問に対して何回も「覚えてない」と言って議員たちの非難を受けた。彼は結局、任命同意案の否決で総理の座に就くことができなかった。

◆人の精神活動に関連する脳神経細胞は約140億個。この細胞は20代のときに一番旺盛に活動する。しかし、年を取るほど脳細胞は死んでいき、一度死んだ細胞は再生できない。年を取るにつれ記憶力が減退するはこのためだ。喫煙、飲酒、過労、寝不足、ストレスも脳細胞を減らせる要因だ。医者たちはこれを防ぐために読書、作文、想像、音楽感想など脳細胞を刺激する運動をたくさんするように勧める。

◆哲学者ケッベルのエピソードが思い出される。彼はある日、本を熱心に読む老師匠に「大変だろうに、そんなにする必要がありますか」と聞いた。すると師匠が答えた。「記憶力というのはいつも監視をして鍛えなければ、年齢とともにいつの間にか逃げてしまうからね。もう年寄りだからといってこいつが軽んずるから、なおさら監視と鍛錬を怠ってはならない。」

◆兪弘濬(ユ・ホンジュン)文化財庁長は、全北(チョンブク)大学博物館の庭園にあった木「ヒマラヤシーダー」を「朴正煕(パク・ジョンヒ)政権時代の親日の残在」とし「切り取ってしまえ」と言ったという報道だ。しかし、兪庁長は「記憶にない」という。女性判事をセクハラしたという理由で法服を脱いだ前職地方裁判所の部長判事も「酒に酔って全く覚えてない」と言った。それは、良いことだけ保存して恥ずかしいことは捨ててしまう便利な記憶倉庫を持っているのではないか。彼らに記憶力増進の訓練を怠らないようにと勧めたい。

宋煐彦(ソン・ヨンオン)論説委員 youngeon@donga.com