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[オピニオン] 在米同胞イ・ミハンさん

Posted April. 22, 2005 23:23,   

한국어

ナチスのユダヤ人虐殺は文学、絵画、映画などで多く扱われた。スティーブン・スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」のようなホロコースト映画からロベルト・ベニーニ監督の「ライフ・イズ・ビューティフル」のような「喜劇的悲劇」の父性映画にいたるまで。しかし、韓国の国土はもとより言葉と文字まで抹殺しようとした日帝の蛮行は、世界に十分に知らされなかった。

◆在米同胞イ・ミハンさん(17)が曽祖父である国語学者の健斎・鄭寅承(チョン・インスン、1897〜1986)先生を称えて書いた短い一篇のエッセイが米国を感動させた。一昨日、リンカーン記念館開館行事でイさんが朗読したこのエッセイは、5400倍の競争の末に選ばれた。イさんは、日帝強占期にハングル辞典を編纂して投獄された鄭先生を思いながら書いた。「あの方は、個人の思想を形成して交感する媒介である言語の使用を禁じることは、思想の自由を侵害することだと信じた。・・・21世紀の自由とは、年齢、人種、性別、身分を問わず、自分の考えを自分の固有言語で表現し、その固有言語で歴史を築いていくことができる一人ひとりの権利だと思う」。

◆さらに演壇に立ったブッシュ米大統領は、「自由社会の生活に対して流麗に表現したイさんに感謝を送る」と言った。イさんは、「テーマは『リンカーンと新しい自由の誕生』だったが、自由という大きなテーマを思い浮かべながら、曽祖父が私に与えた精神を書いた」と言った。奪われた言葉を取り戻すために、苦難を強いられた鄭先生の執念が、異国で生まれた曽孫に代を継いで伝わったのは神秘的だ。

◆外国に長期滞在した人は、母国語を話して書くということが、いかに大きな祝福かを知っている。英国やフランスなどの西欧帝国主義者は、植民地の言葉や文字まで奪わなかった。そのような点で、日帝が言葉を奪ったことは、最も残酷な侵略行為として人類文明史に記録されるだろう。イさんは、米国全域に生中継されたエッセイ朗読を通じて、日帝の蛮行を「生きた歴史」として浮かび上がらせた。

呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com