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「スパニッシュ+イングリッシュ」…心を開くカギ探し

「スパニッシュ+イングリッシュ」…心を開くカギ探し

Posted April. 21, 2005 23:20,   

한국어

映画『スパングリッシュ』は、人の行うコミュニケーションが簡単なことでないことを、英語とスペイン語という二つの言語を通して見せてくれる。自分の考えを相手に伝える「言葉」が、かえって相手を傷つける「刃」になる姿が、ある家族の中で続々と描かれる。同じ英語を使う家族同士では、理解できない言葉を何気なく取り交わし、むしろスペイン語を使う家政婦とは、言葉は通じないながらも気持ちが伝わる。

夫に捨てられたメキシコの若い主婦のフロール(バス・ベガ扮)は6歳の娘クリスティナのより良い未来のために米国へ密入国する。英語を学ぶ必要がなく、スペイン語だけでも日常生活が可能なロサンゼルスのラテン系居住地域で昼夜パートタイマーとして働くフロール。娘が10代になったので、昼だけ働けるところを探していた彼女は、いとこの紹介で一流料理士であるジョン・クラスキー(アダム・サンドラー扮)の家のメイドになる。ジョンには妻のデボラ(ティア・レオーニ)や10代前半のデブの娘ボーニス、やや精神薄弱の気味を見せる息子のジョージー、そして往年のジャズ歌手であり今はアルコール中毒に近い妻の母親がいる。相手に話す機会を与えないで自分の意見だけを言い続けるデボラは、子供にも愛情よりは「養育書籍」を云々して偏執症的に接するだけだ。フロールはお互いに意思疎通ができないこの家族の間で、意味が抜けている言葉の不足部分を埋めていく。

デボラは娘のボーニスに服を買ってあげるが、今の体では着れない小さいものだった。

「こうやって子供に(ダイエットするように)刺激を与えるのもいいとお医者さんが言ったのよ」

しかし、フロールは夜密かにボーニスの部屋に入って服を持ってきては縫目を取り離してボーニスが着られるように繕っておく。体を服に合わせるのではなくて、服を体に合わせるべきだというもっともな話を、ジョーンの家族の誰もデボラに言えない。

ジョーンはロサンゼルス・タイムズの食堂批評記者が自分の食堂に対するレビューをしに来たと言うと、星4個の万点の批評よりは3と3分の1を受けようと決心する。そうすれば、食堂の自尊心も傷つかず、本当に料理を愛するグルメたちも負担なく足を運べると考えからだ。しかし、いざ新聞の批評で星4個を受けると、彼の反応はこうだ。「Fuck you」。ジョーンの予想通り、彼の食堂は4ヵ月間「上流層」の客の予約で一杯になる。

映画は意思疎通の問題という話に加え、娘に対する母親の愛情と自尊心という別の話を交えている。太っている自分の娘のボーニスより、可愛くて賢いクリスティナにより関心を見せるデボラは、クリスティナが奨学金をもらって私立学校に通えるようにしてあげる。

しかし、フロールは母親として自分の役割を侵害されたと思い、これを不満に思う。私立学校に通いたがる娘とフロールの間で葛藤が生じる。

1997年、コメディー『恋愛小説家』で潔癖症のひどい中年男性の恋探しを魅力的に描いたジェームズ・L・ブルックス監督は、7年ぶりのこの新作も例の滑らかなコメディーに仕上げた。笑いのサイズは大きくないが、穏やかで長く続く。しかし、意思疎通の不在と母娘の葛藤という二つの話が、見る人が納得できるほどうまくかみ合わないのは、後々まで監督の気になるところだろう。

この映画の最大の発見はフロールに扮したスペイン女優のバス・ベガ(28)。ペネロペ・クルスの官能的な清純さと映画『ゴースト』のデミ・ムーアのしっとりしている姿を交えたような彼女は、ラテン系女性の情熱的な柔らかさと娘を育てる若い母親の強さをうまく表現した。原題『Spanglish』はスペイン語と英語の合成語で、ヒスパニック系がスペイン語に英語を取り入れて使う言葉を言う。22日封切り。12歳以上観覧可。



mindy@donga.com