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[オピニオン]第一王位継承者の妃

Posted April. 14, 2005 23:15,   

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「王位継承者」というポストは、この世の中で最も大変な役目の一つだろう。絶大な権力を握る王の公式な後継ぎであるだけに、高度の政治判断や節度が求められる。決して王を追い越しても、王に遅れを取り過ぎてもならない。夢の中でも、王の「一歩後ろ、一歩左側」でなければならない王位継承者を支える「妃」は、その意味ではなおさら厳しくて孤独だろう。

◆日本の第一王位継承者の徳仁皇太子の夫人である雅子皇太子妃が、重いうつ病に悩まされているという。5ヵ国語に堪能な外交官出身のエリート女性が、王室生活からくるストレスや男の子の出産を求める王室内外からの圧力に気苦労しているというのだ。平民出身で2男1女を持つ姑の美智子皇后も、一時失語症になっていたことを考えると、王室暮らしの大変さが思い知らされる。日本の皇室は10年以上も雅子皇太子妃の王子出産を待ち望んでいる。

◆英国のダイアナ妃も、世の中の女性からのねたみやうらやみを一身に受けていたにも関わらず、決して幸せではなかった。夫のチャールズ皇太子の浮気や無関心のためだった。結局、彼女は1997年に不慮の交通事故で亡くなった。しかし、彼女は英国人の記憶の中に「永遠の皇太子妃」として残っている。一方、付き合ってから35年経ってやっとチャールズ皇太子との再婚を果たしたカミラ・パーカー・ボウルズ女史は、「皇太子妃」という公式の称号ではなく、「王の配偶者」という称号に満足せざるを得ない。

◆朝鮮時代で最も悲劇的な第一王子妃は、父の英祖(ヨンジョ)大王によって米びつに閉じ込められ悲運の死を遂げた思悼世子(サドセジャ)の妃の恵慶宮洪氏(ヘギョングンホンシ)だろう。彼女の悲しみは「閑中録」に切々と書き綴られている。朝鮮王朝の最後の王位継承者の妃のジュリア夫人(82)も、後継ぎの王子を産めなかった外国人女性という理由で、王族たちによって強制的に離婚され、独り寂しく老後を暮している。皆にうらやまれる地位ほど、その影も深いものだ。

呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com