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[オピニオン]ニセ札

Posted April. 13, 2005 23:30,   

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「お金はすべての原動力」と言った人は紀元前5世紀、ギリシアの哲学者ディオゲネスだ。同哲学者はニセ札を作って使っていたことがばれ、故郷から追い出されたと言う。後世に名前を残した哲学者としてはかなりひどい履歴だ。米国の詩人カール・サンドバーグは「お金は権力、自由、休息、そしてすべての罪悪の根幹であり、祝福のすべて」という名言を残した。「お金さえあれば鬼もつかむことができる」と言う韓国の諺もある。いずれもお金の威力を皮肉った言葉だ。ニセ札が絶えないのもお金の力のためだ。

◆日増しにニセ札が増えてきて、金融界が頭を抱えこんでいる。最近横行しているニセ札は、半分は本物で半分が偽物である5000ウォン札、カラーコピー機で印刷した100万ウォンの小切手、100ドル札の超精密ニセ札である「スーパーノート」だ。一部はとても精巧で、銀行の行員が騙されたりした。特に「スーパーノート」は肉眼はもちろん、かなりのニセ札鑑識機でも鑑別しにくいと言う。映画『キャッチミー・イフ・ユーキャン』のように、ニセ札犯を鑑識家として採用しなければならないのか。

◆ニセ札鑑識家のニセ札判別過程は大きく三段階ある。第一は肉眼監察で、国内で偽造された貨幤は大部分この段階で判別される。第二は蛍光ランプを照らすか、電子顕微鏡を通じて偽・変造防止の表示を確認する段階で、一般的に偽造外貨はここで見つかる。最後の段階は各種の偽造関連資料を利用して特殊方法で選り分けることで、最近出まわっている「スーパーノート」や偽造ユーロの鑑識がこれに当たる。

◆問題は一般人だ。金融機関ではない市場や店などで、精巧に偽造されたお金をお釣りでもらった場合、これをどう選り分けることができるのか。政府はいかがわしいお金を見つけた場合、警察署の地区隊や112、韓国銀行に届けよと言うが、「いかがわしいお金」なのかどうかを識別することは容易ではないだろう。それに全国民がニセ札鑑識法を学ぶこともできない。あらゆるニセ物の洪水の中で、自分の財布の中にニセ札が入るかも知れないという心配までしなければならない。本当に疲れる世の中だ。

宋煐彦(ソン・ヨンオン)論説委員 youngeon@donga.com