▲臍帯血の流出実態〓H産婦人科の場合、帝王切開を選択した産婦が臍帯血と関連して事前に意思表明をしなければ、痲酔状態で医師が臍帯血を任意採取した。
病院側は、このように採取した臍帯血をビニールパックに入れて、1件当たり15万ウォン前後でA臍帯血バンクに売った。
自然分娩の場合、産婦の意識があって任意採取が難しいため、産婦に臍帯血保管可否を聞いてそれに従う。
取材チームの確認結果、H産婦人科は昨年7月から今年3月10日まで、帝王切開を選択した産婦から計177件の臍帯血を任意採取した。
臍帯血バンクに渡された臍帯血は実験用に使われるか、小児癌、白血病などの治療に使われる。
同病院の関係者は「数年前から臍帯血の取り引きをしてきた」と打ち明けたが、病院側は「担当者たちの間違いで産婦の同意を得てない臍帯血が何件流出されたかは分からないが、病院は故意にこれを販売しなかった」と説明した。
ソウルのある大型病院の関係者は「研究に必要な臍帯血が足りなすぎて、一線の個人病院から渡された臍帯血を使っている」と話した。
臍帯血の関係者は「患者が小児癌などの治療のために臍帯血を購入しようとすれば、1000万ウォン程度の費用を負担しなければならない」と打ち明けた。
産婦が臍帯血保管を希望する場合には、自分が選択した臍帯血バンクに150万ウォン前後の保管料を出して任せる。15年以内で使用権と所有権を認められるのが一般的だ。
▲倫理的かつ法的論争〓自分も知らないうちに臍帯血を採取された事実を後で知った産婦たちの大部分は反発した。
金さん(32、女性、ソウル江西区)は「病院に臍帯血を寄贈すると言ったことがないのに、個人の遺伝情報が入っている臍帯血を病院が任意に売ったという事実に驚かされる」と話した。
しかし、臍帯血の任意採取を処罰する適当な法的根拠のないことに問題がある。
保健福祉部の関係者は「臍帯血リサイクルと関連した法的かつ制度的根拠がない状態」とし、「関連当事者たちの意見を反映できるように法的整備が必要だということを認める」と話した。
ソウル大学獣医大の康景宣(カン・ギョンソン)教授は「不透明な流通経路を経た臍帯血がそのまま治療用に使われる場合、エイズや肝炎などに感染する恐れがあり、また遺伝的な疾病につながることもありうる」と指摘した。
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