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[オピニオン]細田早苗校長

Posted March. 31, 2005 23:26,   

한국어

1999年9月のある日。初秋の日差しを浴びながら日本埼玉県志木市の細田高校を訪ねた。校舎に入ると、額縁の中の校訓が目に止まった。ハングルで書かれていたのだ。「サラングァ・ポンサ」と書いてあった。校長室に案内された。韓国のチャンゴ(伝統の両面鼓)、韓国の伝統仮面、韓国の焼き物、韓国屏風など…。部屋の隅々に韓国の香りが漂っていた。校長先生はチャンゴを指しながら「100回目の韓国訪問を祝って韓国旅行社からもらったお土産だ」と説明してくれた。

◆細田早苗(83)校長。私立の同校のオーナー校長だ。優しいと言われているが、一つだけこだわりがある。生徒たちの修学旅行は、必ず韓国に送っているのだ。まだ日本に対する反感が強かった1970年代初め。周りの穏やかでない視線を意識しながらも、韓国を旅行してから決心をした。「隣国を知らずして世界を語るわけにはいかない」。1978年から生徒たちを韓国に送り始めた。父母たちの反対もあったが、気にしなかった。

◆1998年からは旅行コースに江原道旌善郡(カンウォンド・チョンソングン)を入れた。旌善アリランを教えるためだった。細田校長は、「韓国を代表する民謡はアリランだし、アリランの中で歴史が一番古いのが旌善アリランだからだ」と言った。校長は1999年に名誉旌善郡民になった。2002年韓国訪問の年には名誉広報大使に委嘱された。

◆独島(トクト、日本名竹島)と教科書問題で韓日交流の大量キャンセルが相次いでいる。細田高校の生徒たちはどうしただろうか。今回も旌善に来た。今年の修学旅行団267人のうち、第1陣62人が3月28日に旌善文化芸術会館でアリラン公演を鑑賞し、旌善高校生徒たちと一緒にアリランを歌った。第2陣は今月18日、第3陣は25日に来韓する。細田校長は修学旅行を控えて、旌善アリラン研究所に手紙を出した。「今年も、そちらに修学旅行団を送りたいのだが、大丈夫だろうか」と。最近の韓日関係を懸念したからだ。来年は、韓国を訪れた細田高校の生徒が1万人を超える。細田校長のような人が、あとどのくらいいたら、韓日間の冷戦は解けるのだろうか。

沈揆先(シム・ギュソン)ksshim@donga.com