Go to contents

[オピニオン]哀しい博士

Posted March. 30, 2005 23:31,   

한국어

1990年代、大学周辺の居酒屋では、社会に対する鬱憤を吐露する大学院生たちがよく見られた。博士号取得者が本格的に溢れ出た時だった。韓国で博士号を取った人は1991年、3000人を越え、1999年には6500人にのぼった。彼らが切望する教授職は、空席ができなければ求人がないので、10年待っても教授になれるかどうか見当がつかなかった。他の分野も先輩たちで満たされて割り込むすきがなかった。人文科学か社会科学の専攻者であればあるほど、事情は悪かった。未来を失った若者たちは、変革と進歩を夢見るしかなかった。

◆進歩勢力が政権を取ることになったのは、彼らが起こした「バタフライ・エフェクト(Butterfly Effect)」のお陰と思われる側面が大きい。熱心に勉強して実力を積んだが、社会進出を封鎖された彼らに、既得権層の腐敗と無能は大きく見えた。以心伝心で同年輩たちにも共感帯が形成されたのだ。貧しい時間講師に出た彼らは、「お金を使って失業者になる道は大学院進学」という自嘲を誘った。「博士らしい」という新造語は、無駄なことに長いこと熱を注ぐという意味だ。

◆政治に入門した学生運動出身の「即席立身」と博士たちの「挫折」を対比してみると、世の中の不確実性が実感される。この数年間、ソウル大で博士号を受けた人のうち、10人に4人が不正規職だと言う。きちんと正常コースを踏んで来た博士たちは「中間決算」をしてみて、勉強の道を選択したことを後悔するかも知れない。「大学で熱心に勉強するよりは、学生運動をした方が、ずっとましな出世公式」という世間の意地悪な皮肉も、彼らを痛めつけるに違いない。

◆大学構造調整で大学の半分が消えるかも知れないと言うから、博士の就職難は今後より深刻化していく。博士たちの「失敗」によって、韓国社会が勉強と学問を軽視する方へ向くのではないかと懸念もされる。現政権発足後、むしろ高学歴者の就職難が悪化しているのは、支持勢力に対する裏切りだ。政府は彼らに最小限の負債意識を持たなければならない。

洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com