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[オピニオン]盗癖

Posted March. 28, 2005 23:18,   

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1980年代、英国を風味したロックバンド「スミス」は、「世の中のこそ泥よ、団結しろ」と歌った。しかし泥棒たちは団結しない。協会や労組を作るつもりもない。大部分が1人、多くても数人で作業をする。泥棒は普通、お金のため他人の品物を盗む。彼らは欲しいか、必要か、売れる品物を盗む。ところが、「盗癖」を持った人や窃盗中毒者は、利潤よりは快楽のため窃盗行為をする。

◆盗癖は盗みたい衝動を抑制するのに習慣的に失敗する性格障害だ。彼らは何かを盗む前には堪えられないような緊張感を味わい、犯行に成功した後は満足感を味わう。このような泥棒の中には、盗んだ品物を捨てたり、こっそり返す人もいる。品物を買うお金が充分にあるにもかかわらず、盗まないと腑に落ちない泥棒もいる。趙世衡(チョ・セヒョン)が大泥棒で通じた時代、盗んだ宝石を再加工して高い値段に売ってふんだんに使ってたことから、情緒障害型と言うよりは窃盗中毒に近いようだ。

◆中毒者は手を洗ったとしても、いつかはまた窃盗衝動にひざまずく。一時、高官や財閥の家を盗んで、大泥棒と「もてはやされた」趙世衡が、67歳の老いたみすぼらしいこそ泥になって、空き家で腕時計を盗んで捕まった。保育園と少年院を転々としながら成長した趙世衡は、大泥棒になる前までに「刑務所」13回も出入りした。盗みの快楽は短く、懲役生活は長かった。国内で懲役31年、日本で3年6ヵ月という決して短いとは言えない歳月を刑務所で過ごし、ちょっと外に出ている時は盗みで生きた人生だ。

◆趙世衡は走るのも早く、手先も器用だ。そのような才能を一生盗みに使った。裁判所に出した嘆願書がなかなか素敵な文章だったので話題になったこともある。脱走を敢行し、刑を減らして欲しいと嘆願書を書いたのだから、懲役生活は盗みほどの快楽を与えてくれなかったようだ。大泥棒も義盗も虚像だったと言うことが、今回のこそ泥でも確認された。彼は幼い時盗みを習い、一生盗みをし続けた習慣性窃盗犯であるだけなのだ。

黄鎬澤(ファン・ホテク)論説委員 hthwang@donga.com