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勤労所得の補填制めぐり論議 財源と所得把握が問題

勤労所得の補填制めぐり論議 財源と所得把握が問題

Posted March. 21, 2005 22:21,   

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政府・与党が、次期大統領選挙の年である07年の施行を目標に導入を急いでいる勤労所得補填制(EITC)をめぐって、議論が高まっている。働く低所得層に、より多くの所得支援を行うという名分にもかかわらず、先決課題の財源調達と所得把握システム構築案が不透明であるためだ。

21日に発足した与党ヨルリン・ウリ党の民生経済特別委員会の金鍾律(キム・ジョンリュル)委員長は同日、「党政間協議が終わると、今年内の立法も可能とみており、早ければ07年にも施行に入れると思う」と語った。

ウリ党民生経済特委も同日の午後、国会図書館でシンポジウムを開き、李啓安(イ・ゲアン)第3政調委員長と政府関係者が出席した中で、制度導入策について意見を交わした。

▲勤労所得補填制の効果は〓米国、ニュージーランドなど先進国で施行されてきた同制度は、勤労所得が一定水準以下の「次上位所得層」(極貧層のすぐ上の階層)や勤労貧困層に対し、政府がその不足分を支援するという内容だ。

最低生計費制度は、所得の少ない世帯であるほど支援金額が多いが、この制度では、ある程度のレベルまでは仕事をしてお金を稼ぐほど、政府からの支援金もともに増える。要するに、極貧層から抜け出すと全ての支援が打ち切られる基礎生活保障性の問題点を補完した形だ。

ウリ党の朴映宣(パク・ヨンソン)議員は、「同じ費用をかけて、社会保障の面だけでなく『勤労意欲高揚』の効果も得られることが肯定的な点だ」と述べた。

▲財源確保の問題〓ウリ党は同制度の恩恵を受ける人が132万人で、必要な財源として3兆ウォン程度かかると推算している。財源は各種の減税対象を縮小したり、減税率を調整することでまかなえるとしている。

結局、財源の確保は「高所得層の追加納税」を前提にしている。そのため、高所得者の年末精算や所得控除の範囲を狭め、国内総生産(GDP)の13.5%である減税率を先進国並みの10%に引き下げる方策が検討されている。

崔饁善(チェ・ヨンソン)租税研究院院長は「この制度を導入すれば、低所得層の勤労意欲が高まる一方で、相対的に税金を多く納める高所得層は勤労意欲が低下する」と指摘した。

▲所得把握システム構築の必要〓制度導入に先立ち、支援対象者とその家族構成員の正確な所得が公開されなければならない。しかし、韓国の世帯所得把握率は34%にとどまっている。また、自営業者の数も主要先進国に比べ、2倍ほど多い200万人にのぼるが、正確な所得申告体系さえない状況だ。

実際より多く請求する行為を防止する方策も求められる。租税研究院によると、勤労所得補填制を導入して30年以上経っている米国の場合も、1999年に低所得層が請求した勤労所得補填額313億ドルのうち、35.5%に当たる111億ドルも、実際より多く請求されていたことが分かったという。

金永根(キム・ヨングン)国税庁所得税課長は、「建設現場の日雇い労働者や低賃金のパート・日雇い労働者など所得の把握が、確実な層をまず対象にして施行できる」と述べた。



cij1999@donga.com