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[オピニオン]北の電気、南の電気

Posted March. 10, 2005 22:36,   

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南北による体制競争が本格的に始まったのは1948年5月からだった。北朝鮮は韓国が電気料金を支払っていないとして、一方的に電気を切ってしまった。韓国が単独政府樹立の方向に進むや、農業中心の韓国経済が北朝鮮なしでは自立できないことを証明したい意図もあった。韓国は電気の5、6割を北朝鮮から買って使う立場だった。その後、韓国は工業生産品の生産量が20分の1に減り、電灯さえつけることができなくなった。

◆当時はまだ、北朝鮮が重化学工業と社会間接資本分野で韓国を圧倒していた。しかし、以後、北朝鮮は主体思想と閉鎖経済のため、世界で最も貧しい国になり、韓国は開発独裁だったとはいえ、急速な産業化により、目を見張るような経済成長を遂げた。南北の体制競争はもはや意味を失った。韓国に送られる電気を切った北朝鮮の李ムンファン電気総局長が今も生きているとしたら、今日の南北の現実をみてどう思うだろうか。

◆電気は文明の基本的インフラだ。電気をどれほど使うかが、豊かさの指標にもなる。03年を基準に、北朝鮮の発電量は196億kWhと南の6%に過ぎない。発電容量で北朝鮮が韓国の13.9%であることを勘案すると、施設の稼動もままならないということになる。発電量の差はそのまま経済力の格差につながる。韓国の自動車生産能力は北朝鮮の662倍にのぼる。セメントは10.7倍、化学繊維は85.5倍だ。

◆断電から57年がたち、南の電気が北に流れることになった。5000世帯分の電力である1万5000kWが、開城(ケソン)工業団地の韓国企業15社に供給される。00年の南北首脳会談当時、金正日(キム・ジョンイル)総書記が金大中(キム・デジュン)大統領に要請した電気の援助が、5年後に実現したのだ。残念ではあるが、北朝鮮の企業や家庭への供給は行われない。電気はつながったものの、半分しか通じていない形になった。男女間でも電気が通じて、はじめてスパークを飛ばすような熱い恋愛が始まる。切られた電気がつながったように、足踏み状態になっている南北関係に、びりっと電流が流れる日はいつになるのか。

林奎振(イム・ギュジン)論説委員 mhjh22@donga.com