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[オピニオン]スター、役者、ピエロ

Posted February. 23, 2005 22:45,   

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顔がきれいでスタイルが良いからといって役者になれるわけではない。興行作を数本残したとかCMに多数出演するからといってスターになるわけでもない。スターといってもみんなが役者として認められるわけでもない。事実、芸能人は多いが、まともな役者は少ないのが韓国映画界の現実だ。実力のない歌手やコメディアンがちょっとした人気に便乗してスクリーンに顔を出す場合もある。

◆スターは抜群の容姿と商品性を持っている。時には「半神」にまで崇め奉られる。無声映画時代の男性セックス・シンボルだったルドルフ・バレンティノをはじめ、「ミューズ(女神)」に称えられた女優のグレタ・ガルボとマリーネ・ディートリヒ、夭逝(ようせい)したジェームズ・ディーンとマリリン・モンローといった人たちだ。バレンティノの葬式は女性ファンの集団的ヒステリーの中で行なわれ、ディーンの墓地には死後50年を迎える今も花束が絶えない。彼らの出演作と私生活は死後、神話になった。ベ・ヨンジュンも日本ではこの範囲に入る。

◆役者はスターと違う。人気よりは演技を大事に思う。ギャラよりも監督の力量を見て出演作を選ぶ。米国のジャック・ニコルソン、ダスティン・ホフマン、アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ、韓国のチェ・ミンシク、ソン・ガンホ、ソル・ギョングといった役者だ。これに誠実と奉仕が加われば国民俳優と呼ばれる。フランスのカトリーヌ・ドヌーブや韓国のアン・ソンギなどの役者だ。ピエロとは、スターや俳優を越えて、作品と人生の両面でとても喜劇的または悲劇的な要素を持っている天才演技者のことを言う。20世紀の世界映画史のピエロは、断然、チャーリー・チャップリンだ。

◆女優の李恩宙(イ・ウンジュ)さんが、25歳という若さで自ら命を絶った。清純と傲慢、メロと妖艷の要素を兼ね備え、特に、大衆より監督たちから愛された神秘的な魅力の持ち主だった。1人の女優の死に対し、わが社会がこのように大きな関心と追慕を示した理由だ。スターの資質を持っていたが役者であることを願った彼女が、あの世に向けて「バンジージャンプ」をした理由は何なのか。冥福を祈る。

呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com