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[オピニオン]三寺巡礼

Posted February. 17, 2005 23:06,   

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仏教の習慣に「三寺巡礼」というのがある。それぞれ違う場所の3寺を参拜すると、厄が払われ幸運が訪れるといわれ、名刹参りをする儀式のことだ。『東国歳時記』に「閏月に広州(クァンジュ)にある奉恩寺(ポンウンサ)で、同様の儀式を行った」という記録が残っている。現在のソウル市江南(カンナム)地区にある奉恩寺一帯が、昔の行政区域では京畿道(キョンギド)広州になることが興味深い。昔は忙しくない旧暦の閠月に行われたが、最近は旧暦で1月15日と7月15日の前後にも行われている。

◆信者がお寺参りによく訪れるところは、陜川(ハプチョン)の海印寺(ヘインサ)と梁山(ヤンサン)の通度寺(トンドサ)、順天(スンチョン)の松広寺(ソングァンサ)のいわゆる3宝寺院だ。仏舍利が安置されている通度寺は仏宝寺院、八万大蔵経が保管されている海印寺は法宝寺院、大僧侶を多数輩出した松広寺は僧宝寺院と呼ばれる。3寺はそれぞれ独特の伝統を持つ。海印寺は禅僧を、通度寺は傑僧を、松広寺は学僧を多く育てた。僧侶たちも「海印寺では死ぬ覚悟で修業し、通度寺では文化芸術に興味を持ち、松広寺では勉強するようになる」と話している。

◆これらの名山大刹のほかに、3ヵ所の有名な祈とう場所を訪れる人たちもいる。南海(ナムヘ)の菩提庵(ポリアム)や江華(カンファ)の普門寺(ポムンサ)、襄陽(ヤンヤン)の洛山寺紅蓮庵(ハクサンサ・ホンリョンアム)がそれだ。海の見下ろせる場所に位置し、願いが叶うといわれる。悟りを求めて修行に精進していた禅僧の精神が息づく修行道場や深山の名もない庵を巡礼する人もいる。巡礼先のお寺を選ぶ判断力と巡礼時の姿勢は、しばしば信仰心の深さや所属寺院の水準がわかる尺度にもなる。

▲仏教の信者だけではない。誰でも自分なりのテーマを決め、週末の巡礼に出かけるのは有意義だろう。小中高の母校訪問や生まれた家・新婚の時の家・初めてのマイホームを訪ねること、妻との思い出が残る3つの場所への旅行、恵まれない人たちが暮らす社会施設3ヵ所でのボランティアや寄付などが勧められる。意外な喜びがあなたを待っているかもしれない。

呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員、oscar@donga.com