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「ママ、パパ」になること、その頑是ないファンタジー

「ママ、パパ」になること、その頑是ないファンタジー

Posted February. 10, 2005 22:46,   

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話題になった映画『ジェニ、ジュノ』が封切りする。『幼い花嫁』を演出したキム・ホジュン監督の二番目の映画である『ジェニ、ジュノ』が1日、記者試写会を通じ初めて公開された。

15歳の中学生の妊娠と出産を描いたこの映画は最近、映像物等級委員会(映倫)から「18歳以下の観覧不可」の等級を受けた後、再審請求の末に「15歳以上の観覧可能」を受けたことで、映画的表現の倫理と自由をめぐる論争の話題となった。先月17日にオープンしたこの映画のインターネット・ホームページ(www.jj2005.com)は10日現在、訪問者が97万人を超えた。映画の素材をめぐる非難と擁護する内容9000件余りが掲示板に載せられた。

結論から言うと『ジェニ、ジュノ』は、このような騒々しい騒ぎが顔負けであるほど、物静かで甚だしく退屈な内容だ。中学生の妊娠と出産というはらはらする素材を最大限「きれいに」(製作会社の表現)描いたこの映画は、主人公のジェニとジュノの性行為どころか、これを暗示するような如何なる場面も描かれてない。ただ天井だけ眺める (服を着た) 二人の子どもの顔を見せているだけだ。

しかし、このような控え目な態度は製作会社の主張どおり『ジェニ、ジュノ』の目的が「妊娠の危険性を青少年に知らせるため」ではない。はっきりと中学・高校生の観客をターゲットとしたこの映画は、エロチックな場面でなくても目的とすることを充分達成できると判断したからだ。この映画が触れるのはまさに「ママ、パパ」になりたい中学・高校生たちのファンタジーだ。

映画は徹底して中高校生の気持ちと水準で、彼らが夢見る話を代弁してくれる。ジュノは牛乳の値段を事前に用意するバイトを楽しくやり、ジェニはジュノの歌う子守歌が流れ出る受話器を自分のお腹に当てて「胎教」を満喫する。

妊娠の事実に驚く親たちに「大人たちが勝手にするなら、私たちは私たちで勝手にします。私たちは勉強もしながら子どもも生みます」と話して堂々と対立するジェニとジュノの姿には、これとは無縁に見える「ロミオとジュリエット」の二人の姿が重なる。ここでジェニはを学校を代表する女子委員長で、ジュノはプロのゲーマー(gamer)という設定に加えて、中学生の妊娠が単に「遊ぶ子たち」だけの話ではないことをほのめかしている。

このようなすべての行為が「堂々と」行われる理由は、この映画が「生命の大切さ」を主題としているからだ。流産しないことに誰が反対しようか。

ジェニとジュノは「おたまじゃくしソング」が流れ出るなかで「楽しく」デートをし、ままごと遊びのように「きれいに」出産する。製作会社はこれを「赤んぼう守護の感動プロジェクト」と名付ける。しかしながら、このような頑是ないジェニとジュノを現実で見れば、誰が責任を持ち「守護」してくれるというのだろうか。18日封切り。



李承宰 sjda@donga.com