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[オピニオン]「互いに語る」討論

Posted February. 06, 2005 22:48,   

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紀元前5世紀、アテネ民主主義の英雄ペリクレスは、「討論は行動を妨げる障害物ではなく、賢明な行動のための必須不可欠の条件だ」と言った。その後、討論による決定は民主主義そのものと考えられてきた。韓国の場合も、民主化の進展によって「討論共和国」というモットーが登場するに至った。ともかく、討論は知恵と合意を媒介する過程として、民主政治の核心と言える。

◆討論には2つの形態がある。アテネのような直接民主主義における討論は、数千人の聴衆と少数の発言者とのゲームだ。すべての市民に発言権があるが、事実上、数人の雄弁家が討論を独占する。発言者たちは聴衆を説得するために競争し、その結果「互いについて語る(talk about each other)」形の討論が展開される。このような討論は、剣ではない言葉を武器にした争いだ。相互理解よりも、相手の弱点攻略が討論を支配し、最終決定は扇動家の華やかな修辞によって歪曲されるのが常である。

◆アテネの滅亡後、2000年が経って復活した民主主義は代議制だった。政治的討論の性格も変わり、討論の中心を議会が占めた。これで討論は、少数の選良たちが「互いに語る(talk to each other)」形態を帯びた。地域住民を代弁しなければならないという要求もあるが、基本的に代議民主主義における討論は、代表が意見を交わし、互いの考えを広げて変化させることで、共同善に適った立法及び決定を志向する過程である。無論、選挙を意識する善良たちは、相手の虚をついて「互いについて語る」形態の討論に陥ることもある。

◆2月の臨時国会が開かれてから1週間が経った。争点法案を含む多くの議題が審議を待っている。議事堂の外の聴衆をしばらく忘れて、「賢明な合意」のための討論を始めなければならない。何よりも「互いに語る」討論の過程で、各自の考えが変化することを恐れてはならない。

柳弘林(ユ・ホンリム)客員論説委員(ソウル大学教授・政治学)honglim@snu.ac.kr