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[オピニオン]シーア派イスラム

Posted February. 01, 2005 22:43,   

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最近、ヨルダン外務省のホームページに、イラク議会選挙がイラン−シリア−レバノンとつながる「シーア派イスラム(Shiite Crescent)」を形成させることになると懸念する文章が掲載された。アブドーラ・ヨルダン国王は先週の世界経済フォーラムでも、イラクの政権を握っているシーア派イスラムがガルフ地域の安定を脅かし、米国に挑戦することになるだろうと警告した。米国がイラクを通じて中東や全世界に伝播しようとしている自由と民主主義が、むしろ米国が願わない結果をもたらすかもしれないという。

◆シーア派はイラクでは60%を占める多数派だが、アラブ諸国の全域では少数に属する。彼らは、約1400年間にわたって、中東で権力を握ったことがない。イスラム教の教祖マホメットの娘婿であるアリーとその子孫にのみ、イスラムの指導権があると信じているからだ。ブリタニカ百科事典によると、イスラムの主流派だと見なされるのは、イスラム教のスンニ派だ。彼らが「正統派らしく」殺人的ならば、シーア派は自殺的である。シーア派のいる所には紊乱があると考えても大きな間違いではない。ただし、何についての抵抗なのかは、見る人によって異なる。独裁に対してか、外部勢力に対してか。

◆1921年のイラク独立後にも、シーア派はイスラム教・スンニ派の支配を受けた。サダム・フセイン元大統領のバーツ党もやはり、スンニ・イスラムが基盤であり、それに反対していたシーア派は「ペルシャ・コネクション」を通じてイランに逃避したりした。91年の湾岸戦争当時、シーア派は「フセインに対抗せよ」というブッシュ元大統領の言葉だけ信じて動いたが「裏切られた」経験がある。ところが現在は、そのシーア派が自由と民主の名のもとに、多数党を確保するようになったのだから、歴史のアイロニーなのか、それとも事必帰正(万事は必ず正理に帰する)なのか。

◆イランは核をめぐって米国に脅威を与える「悪の枢軸」である。イラク・シーア派は、イランのような神政国家は建設しないとしているが、長らく押さえられていた悲しみが、どのような形で爆発するかは誰にもわからない。米国の内外で、イスラエルがイランを侵攻するかもしれないとの見方が出ているのも、それに対するけん制と受け取られている。人類の平和に向けて誕生した宗教が、むしろ平和を害するのを、神はどう見ているのだろうか。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com