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[社説]より思い切った「学力増進」を

Posted January. 31, 2005 23:23,   

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昨年7月の教育長選挙で、「学力増進」を公約に掲げて当選した孔貞澤(コン・ジョンテク)ソウル市教育長が、具体的な対策を示した。1997年からなくなった小学校での一斉試験を復活させるとともに、中・高校では今年度から記述式試験の割合を30%以上増やし、中学1年生を対象に学力診断評価を実施するという内容だ。学校内の競争システムを拡大し、「難しい試験」の導入によって全般的な学力の向上を図りたい考えだ。

私教育の過熱によってこれまでの韓国の教育政策は、入試競争を減らすことに焦点を当てるという異常なものになっていた。現政権になってからは平等主義の色合いがさらに増してきた。今年、高校に進学する生徒から対象になる新しい入試制度では、修能試験(日本のセンター試験に当たる)で成績全国1位から4万8000位までが同じ点数を与えられることになり、自ら「弁別力の放棄」を招こうとしている。

競争がなくなった学校は、教育の低迷や事なかれ主義をもたらすものだ。試験と評価が姿を消した学校では、教師らが熱心に教えたい気持ちになれない。基礎学力に欠けている児童や生徒には、別の補習授業を受けさせるなどで落ちこぼれが出ないよう努力して当然だが、そのための学業成就度評価さえ教員団体を意識して自由にできないのが現実だ。学校で行われている易しい選択式試験は、学校では寝て勉強は学習塾でするという教室崩壊の一因になっている。

ソウル市教育庁による学力向上のための方策が、低迷する公教育の起爆剤になってほしい。かえって私教育の拡大を呼ぶのではないかと懸念する人もいるだろうが、時機を得た学力評価を実施することで、私教育が受けられない貧しい児童や生徒を支援する方法を見出すことがより積極的で現実的だ。

孔教育長には学校選択権の拡大と自立型私立高校の新設という約束も守ってもらいたい。教育で競争至上主義は避けなければならないが、これまでに競争を放棄する政策一辺倒だったことも間違いだ。今は両者の調和を求めるべき時期だ。低迷する学校現場に活力をもたらす思い切った政策が求められる。