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生きている地球の歴史

Posted January. 14, 2005 23:10,   

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昨年12月26日午前、インドネシアのスマトラ島西方のインド・オーストラリア地殻プレートと東方のユーラシア地殻プレートに属するミャンマー・プレートが海底で衝突した。この衝突でインド・オーストラリア地殻プレートがミャンマー・プレートの下に潜り込みミャンマー・プレートを押し上げ、その上の海水が吹き上げた。震度9の強震とともに津波が発生し、その結果はすでに伝えられている通り、15万人以上が犠牲になる惨状だった。

今回の津波は、人間の目に見えない所で起こる大地の動きがいかにすごいものであり、あたかも地球を占領したかのような人間が、実はいかに他愛のない存在であるかを改めて知らしめた。英国自然史博物館の首席古生物学者である著者は、すでにその点を看破していた。

この本は、人類が足をつけて住む大地、すなわち地球の特徴を説明している。地球の特性を窮極的に統制するのは、地球表面を構成する巨大な6つ(小さいものまで合わせれば12)の地殻プレートだ。著者は単刀直入に「世界は地殻プレートの命令に従って変わる」と冒頭から語る。この命令を人間は拒否することができない。

その命令は、私たちが想像を絶する長年に渡って、徐々にそして静かに伝えられる。初めに大陸が割れて新しい海が形成され、後に造山帯を形成しながら海がまた閉じる地殻プレートの動きが、まさにそれだ。1965年「ネイチャー」誌に地殻プレートの概念を初めて提起したカナダの地球物理学者ウィルソンの名前を取って「ウィルソン周期」と呼ばれるこの運動は、およそ2億年以上かかる。地球の年45億年は、すなわちウィルソン周期が繰り返される反復であるわけだ。

この周期内で静かに見える大地は、我々が想像することもできないあらゆる方式で不規則に震動する。地表面は膨脹しては収縮し、海は持ち上がっては下がる。大陸そのものも動く。地殻プレートがつなぎ合わさっているような海底をもつ地中海は、アフリカ大陸が欧州の方に3000万年程入り込めば消えて無くなる。大洋と山も、地球というモザイク絵に挟まれた地殻プレートの配列に過ぎない。地殻プレートが動けば、すべてのものが再配置される。

この本の妙味は、このような大地の歴史を易しくて面白く、それでいて正確に叙述したところにある。堅苦しい教科書のような概念中心ではなく、著者が直接訪れた特別で特定の場所、地質と歴史が絡み合った所を通じて、地殻プレートの構造と実体、そして運動を解説する。西紀79年ポンペイを滅亡させたイタリア・ナポリのベスビオ火山から始まった彼の旅程は、ハワイとアルプス山脈を経て北アメリカのニューファンドランド諸島や米西部海岸のサンアンドレアス断層、スカンジナビアのカレドニア山脈、アイスランドとグリーンランドにまで渡り、大きな地球絵を描き出した。

その過程で我々は、大地が人間と関係を結ぶ方式を知る。大まかに言えば、大地を構成する岩石によって、その場所の気候と自然風光、そして農耕と遊牧などの生活様式が決まる。もちろん、岩石は地殻プレートの運動によって作られる。著者は、「我々の足もとの岩石は、地球の顔の内側にある無意識のようなものであり、その顔の雰囲気と印象を決める」と語る。ユングが言った集団無意識のように、地表面に住む我々は、さらに奥深い所にあるものに縛られながら反応しているということだ。

この本は科学書籍だが、黙示録の雰囲気が漂う。巨大な地球の摂理も十分に知らずに、得意になっていた人間に対する警戒が本の所々に読み取れる。著者は「海が下がり気候が比較的穏やかな時期に、一時的に増えた寄生するダニ」のような人類は、「自分に見合った謙遜さを持たなければならない」と言う。しかし、どうしたものか。南アジア津波の惨状は、すでに我々の記憶の中で遠のいているのだが・・・。

原題「The Earth-An Intimate History」(2004年)。



閔東龍 mindy@donga.com