アラビア語のインターネットサイト「アルイジャ」(www.alezah.com)に発表された「韓国人二人を拉致した」と言う声明は、どれほど信憑性を持っているのだろうか。
このサイトを分析した鮮文(ソンムン)大学統一神学部の李ウォンサン教授は、「アルイジャサイトのネットカフェー掲示板のように、誰でも書き込みができる所に韓国人拉致事実を知らせる声明が掲載されている」とし「したがって声明の信憑性は、まずは落ちると言える」との見解を述べた。
サイトの初期画面はかなり整っているように見える。
左側の上端にコーランの絵が描かれており、その上に「私たちにとってイスラムの他には栄光がない」と書かれている。サイト名の「アルイジャ」は「栄光」を意味するアラビア語。このサイトは主にイスラム原理主義者たちの声明を載せてきた。
画面の中央にBBCアラビア語サイトのリンク表示があって、その下にはラマダンをどう迎えるべきか、パレスチナでの聖戦の意味に関する記事がある。
右側にはコーラン、イスラム文学、ジハードなどがリンクされている。問題の声明はジハードリンク内の「ムジャヘディン」という下部リンクに「イラクジハード団体の声明」というタイトルで掲示されている。
声明が掲示されたところの信憑性が落ちるとしても、このサイトを主に利用してきた団体が「イラク聖戦のためのアルカイダ組職」(旧『唯一神と聖戦』)であることを考えれば状況は変わる。
イラク内のテロを主導しているザルカウィが率いる「イラク聖戦のためのアルカイダ組職」は、去年カナ貿易社員、金鮮一(キム・ソンイル)さんを殺害したテロ団体だ。
ザルカウィのある側近が去年10月17日「イラク聖戦のためのアルカイダ組職」の法律委員会の委員長が死亡したという声明を載せたほど、同サイトはこの組職の対外窓口の役割を果たしている。
外国人人質を拉致、または首切りにしたという声明もこのサイトによく載せられている。
去年9月16日に英国人ケニス・ビグリーさん(62)を拉致して首切りにしたという声明がこのサイトに初めて公開されたほか、9月23日にはイタリア情報機関の女性要員2人が拉致され首切りになったことも紹介された。
当時、英外務省報道官は「このサイトの公信力が劣るので、ビグリーさんの拉致主張を深刻に受け止めない」と一蹴した。しかし数日後、ビグリーさんの首切り姿が公開され、アルイジャに載った「イラク聖戦のためのアルカイダ組職」の声明は事実と確認された。
一方「イタリアの情報機関女性2人を刀で無残に首切りにした」と主張したテロ団体「アンサルアルザワヒリ」の声明は事実でないことが判明しており、女性たちは全員無事帰国した。
鮮文大学の李教授は「首切りと係わった事実が一度外れたりしたが、拉致と係わる声明はほとんど例外なく事実だった」とし「韓国人の拉致可能性を簡単に否定するのは難しい」と分析した。
朴炯準 lovesong@donga.com