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[オピニオン]現代史の見直し

Posted January. 09, 2005 22:54,   

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先日、テレビで昔のことを題材にしたクイズ番組を見た。1950、60年代にあった元気な赤ちゃんコンテストで、評価基準となったのは体重の他に何があっただろうか。1960年代の長髪やミニスカートに対する取り締まりで、長さはどのようにして測っただろかといった問いに答えるものだった。肥満を「公共の敵」扱いする時代、肌の露出や服装が自由化したこの時代に、あの昔のことはおもしろおかしいだけではなく、途方もないことのように思える。1960年代をこのように振り返る番組は珍しくなく、私も軽い気持ちで笑って見ていたりした。しかし、今回はあまり愉快な気持ちになれなかった。過去のことは全て清算の対象にしている最近の雰囲気による被害意識のせいかも知れない。

◆最近、北朝鮮の開城(ケソン)工業団地を訪問した。寒くて荒涼として野原で、韓国と北朝鮮の和解のきっかけになればと頑張っている人たちに感動した。そこで1950年代の韓国の山々を思わせる禿山を目にし、胸が痛んだ。国連食糧農業機関(FAO)は韓国をドイツや英国、ニュージーランドと並んで、世界の4大造林成功国家と発表したことがある。特に韓国は、全国的に荒廃した山林をわずか数十年で緑豊かな山林にさせ、世界で例を見ない成功ケースとされた。第3共和国(1960年代の朴正煕政権)が成し遂げた大きな業績の一つと言える。

◆高句麗を中国の歴史に組み入れようとする中国の東北工程や日本の歴史教科書歪曲など、私たちは激しい歴史戦争に巻き込まれようとしている。しかし、この戦争で果たして私たちは堂々と立ち向かうことができるのだろうか。例えば、第3共和国の歴史をめぐって、一方では厳しい人権弾圧の側面だけを捉え、もう一方では経済発展や近代化の業績だけを取りあげている。光と影を同時に包み込みながら、その明暗がいかに相まって、その時代を築いていったかを客観的に見ることができない。私たち自らが私たちの歴史を歪めているわけだ。

◆最近、一部の人文社会科学者たちが現代史を客観的に見直すための研究・出版作業を始めた。産業化勢力と民主化勢力がいずれも謙遜した態度で、双方の立場から歴史を眺め、バランス感覚を取り戻す契機になることを望む。

朴明珍(パク・ミョンジン)客員論説委員(ソウル大学教授・言論学)mjinpark@snu.ac.kr