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[オピニオン]投票万能

Posted January. 06, 2005 22:48,   

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タジマハールか、それとも万里の長城か。今、ネット上(www.n7w.com)は世界の七不思議を選ぶ投票で盛り上がっている。06年1月1日に結果が発表される同投票での現在の1位は中国の万里の長城だ。しかし、油断はできない。1ヵ月前からインドのタジマハールがすごい勢いで追い上げている。3位だったイタリアのコロッセウムを抜いて獲得した地位だ。理由はわりと簡単だ。ミスワールド出身のきれいな女優まで登場して派手な宣伝を行ったため。

◆万里の長城が1位を固く守っているのも当然な結果かもしれない。中国の人口が6日の0時2分を境に13億人を突破した。世界最多の人口だ。七不思議投票の参加者も中国人が42.69%と最も多い。人口世界2位のインドを合わせれば23億人に上る。1人1票の原則に基づいて「民主的に」選出される世界政府をつくるとすれば、中国・インドの連合政府が誕生する可能性が最も高い。米国と欧州の富を税金としてそっくり取り上げて他の国々に均等に再分配する政策が打ち出されるかもしれない。

◆鯨が哺乳類なのか魚類なのかを投票で決めることはできない。世界の七不思議はともかく、投票で決められないこともあるのだ。時には、民主的に選出された指導者が憲法を無視して、国民の基本権を制限する「非自由主義的民主主義」も出てくる。法と制度の分野で大衆の直接的な激情を和らげ、専門的な能力と良心に従って自由と民主を守る非選出職エリートが必要な理由だ。

◆公正取引委員会が政府機関では初めて局長職を公募する過程で、部下による投票結果を反映して選任するという。職務能力もあって職員の評価もいい幹部を選び、公務員社会を刷新するという意図だと思う。しかし、いい意図が思いがけない結果を招く場合がある。頭がよく勤勉なゆえに部下を働かせる上司よりは、馬鹿で怠け者だけどお人よし、あるいは自分に都合のよい上司に投票する可能性も少なくない。国政の「実験」が多すぎる国だ。

金順鄹(キム・スンドク)論説委員yuri@donga.com