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[オピニオン]特区

Posted December. 30, 2004 23:14,   

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とっくりいちごの覆盆子の来由に対しては中国明代の漢方医書であ「本草綱目」に二つの説が紹介されている。ひとつは果実が盆を覆しておいた形をしていることから由来したという説だ。もうひとつは覆盆子を食べて用を足すと小便用のつぼがひっくり返るという説で、覆盆子酒の愛好家が好む説だ。覆盆子は代表的な精力強壮食品。全北高敞(チョンブク・コチャン)一帯では昔から野生の覆盆子を採取して酒を作る風習があった。1980年代から仙雲寺(ソヌンサ)一帯の食堂が覆盆子を商業化してから全国的な名声を得始めた。

◆大邱(テグ)薬令市は、朝鮮孝宗9年(1658年)から大邱城中の客舎周辺で毎年春と秋の二回にわたって漢方薬を流通させた伝統的な漢方薬市場だ。韓国はもちろん、中国、ロシアにまで漢方薬を供給した。大邱南城路(ナムソンロ)一帯は、漢方医院、漢薬房、薬業士、剤湯所、剤丸所、剤粉所、人参士といった漢方関連の店が350ヵ所もずらりと並んでいて、昔から薬田通りと呼ばれていた。1978年、薬令市の保全と漢方医薬の文化の伝承のため、毎年大邱薬令市祭りが開かれている。

◆朝鮮太祖の李成桂(イ・ソンゲ)が子供のごろ、師匠の無学(ムハク)大師が寄居していた全北淳昌郡(チョンブク・スンチャングン)の万日寺(マニルサ)へ行く途中、農家に立ち寄ってコチュジャンを添えておいしい昼食を食べた。李成桂はのちに王になった後、淳昌のコチュジャンの味が忘れられず、宮廷に進上するように指示した。淳昌には代を受け継いでコチュジャンをつけて販売する家が多い。鉄分の多い水、糖度が高い唐辛子とみそだま麹用の大豆を材料に陰暦7月(処暑)を前後にして、古い豆でみそだま麹を炊いて、その年に生産された唐辛子の粉で冬にコチュジャンを作ってこそ、美味しいコチュジャンが得られる。

◆19世紀の英国の経済学者、デビッド・リカードは独創的な比較優位理論を発表した。暑くて日差しの良いポルトガルは葡萄酒を特化し、気候が穏やかで雨の多い英国は毛織工業に力を入れてこそお互い利益が得られるという理論だ。政府が高敞覆盆子産業特区、大邱薬令市漢方特区、淳昌醤類特区など7つの特区を指定して、規制を緩和し地域の特性にかなった開発産業を進めるようにした。人でも地域でも一番得意な分野を選んで特化してこそ成功できると、リカードは早くから見抜いていた。

黄鎬沢(ファン・ホテク)論説委員hthwang@donga.com