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「激安売り」にも冷え切っている市場

Posted December. 21, 2004 23:03,   

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周りが暗くなりかける午後4時。買い物客で賑わうはずの土曜日の午後なのに、市場はがらんとしている。「激安のパーカーです」と大声で叫んだ。しかし、返ってくるのは道行く人々の関心のなさそうな冷たい視線だけだった。

「品物をのぞく人もいないので、大変戸惑いました。通りがかる人を無理やり引きずり込むほどです。年末のかき入れ時なのに、とんでもないことです。」彼は21日、記者との電話でこう話した。

行事に参加した芸能人や放送局のリポーターのお陰で、状況は少しよくなった。同日、金庁長は防寒服5着、トレーニング・ウェア20着余り、ジーパン10着余りを販売した。5万ウォンの防寒服を3万5千ウォンに安売りして、しかも人気タレントに手伝ってもらっての結果だ。金庁長は声がかすれてしまった。

「中学校を卒業するまで、母親が釜山(プサン)の影島(ヨンド)市場で食器や鍋などを商売して私の月謝を稼いでいました。在来の市場が厳しいとはいっても、あの当時よりはましだろうと思っていたのに、程度の差があるだけで非常に厳しいことが実感として分かりました。」

同日、市場の商売人は行商に来た金庁長に、胸のうちをぶちまけた。「何とか食べて行けるように助けてほしい」という切ない訴えだった。

「昨年より景気がよくなったと言っていた人はいませんでした。売り上げが30〜40%減ったそうです。政府はあらゆる手を使っていますが、ひどい不景気なのでなかなか大変なようです。日が昇らない限り雪も解けないでしょう。」

在来の市場が厳しい状況にある理由は、不況であるほど低所得層の消費のほうがより大きく減少するうえ、大型ディスカウント・ストアによる商圏掌握で、買い物客を奪われているためだ。景気循環的なリスクと流通産業の構造上の問題が重なっている。

「駐車場を設置したり、トイレをきれいにしたりするなどの現代化作業に取り組んでいます。様々な優遇税制も検討しています。しかし、景気が上向かない限り、こうした対策にも限界があるでしょう。」

この冬は異常気象で冬らしくない暖かい日が続いているということだが、金庁長は市場の隅々まで吹き付ける厳しい寒風に、ひときわ苦労したと付け加えた。市場を冷え込ませている不況の影が、なお更彼に寒さを厳しく感じさせただろう。

「公僕として商人たちにものが言えません。しかし、もう少しの辛抱です。大変であっても勇気を失わないことが大事だと思います。」



高其呈  koh@donga.com