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[オピニオン]「詩の稿料、100万ウォン」

[オピニオン]「詩の稿料、100万ウォン」

Posted December. 20, 2004 22:59,   

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「寂しく/しかしとても寂しくはなくちょっとだけ寂しいように/別れであるように/しかし、永遠な別れではなくどこかの来世で再会することにする別れであるように/蓮に逢いにゆく風ではなく/逢って帰る風のように/きのうおととい/逢って帰る風でなく/2、3度過ぎ去ったあの季節に/逢って帰る風のように…」

未堂・徐廷柱(ミダン、ソ・ジョンジュ)のこの絶唱に接した日本の女流俳句詩人、黛まどかさん(42)は、01年韓国へ来て、四季にわたって釜山(プサン)からソウルまで500kmを歩いた。このように美しい詩を書いた詩人の敍情と彼を育てた山河を体験してみたかったからだ。

◆この前、文壇の関係者らと素朴な忘年会を行った。生前の未堂と付き合いがある高麗(コリョ)大学の金ファヨン教授が、「ビールが大好きだった未堂がコチュジャンにカビができたのも知らずに、いわしをコチュジャンに付けておつまみで食べた」と言ったら、多くの人々が目頭を赤くした。未堂の最後の詩集「80少年流れ者の詩」を出版した「詩と詩学社」チェ・ミョンエ社長は、「(未堂)先生があの世でも思う存分詩をお書きになれるように、詩集の最後の三枚を白紙のままに残した」と話し、その場を粛然とさせた。

◆美しい詩は人間の魂を清くする。人生を丸ごと変えたりもする。20世紀最後の冬、大雪の降ったクリスマス前夜に85歳の一期で栄辱の人生を終えた未堂は、64年にわたった詩業で900編の詩を残した。早くから大家の班列に上がった未堂は果して詩1編にいくらの稿料をもらっていただろうか。多分、新聞の新年号や送年号に記載された作品を除いては、たかが一度お酒の飲めるほどの稿料しかもらっていなかっただろう。

◆ある季刊文芸紙が詩1編の稿料として100万ウォンを支払う「格外詩壇」を新設することにしたという。詩の稿料が全くないか、文芸誌の詩1編の稿料が10万ウォン以下の事情を考慮すれば、破格的な決定だ。しかし、詩1編を書くために詩人がかけた努力と不眠の夜を考えれば、これもまた決して高い金額とは言えない。巨額の稿料で詩を売り買いする社会現実が寂しいという自嘲の声も出ている。稿料に劣らず、詩人に対する社会的な待遇も格上げすることを望む。

呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員oscar@donga.com