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[オピニオン]消えてしまったトナカイ

Posted December. 19, 2004 22:57,   

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クリスマスは「キリスト」と「ミサ」という言葉の合成語で、イエスの誕生日を祝うキリスト教の祝祭日だ。ところが聖書には、イエスが生まれた年月日に関する記録がない。一説によると4世紀後半、ひとりの司教が、キリスト教が異教徒を征服したとの意味合いを込めて、異教の祝祭日である冬至をキリストの誕生日にしたのだという。

◆クリスマス・ツリーは、古代エジプトで用いられていた小枝のお祭り飾りや、お祭り用のローソクをあしらった月桂樹飾りなど、聖木の崇拝思想を起源としている。クリスマスツリーとしてモミの木を使うようになったのは、8世紀頃、宣教師のオーディーンが、カシワの木への生け贄として人間を供えていた野蛮な風習を中止させる目的で、隣りに立っていたモミの木を指差して「この小枝を家に持って帰り、イエスの誕生を祝え」と説教したことから始まったと言われる。

◆サンタクロースは西暦270年、西アジアに生まれたセント・二コラスの名前から由来している。セント・二コラスの生前の慈善活動が世に知られるようになり、サンタクロースの話も広まっていった。アメリカ大陸に移住したオランダ人たちは「サンテ・クラース」と呼んでいたが、子どもたちが呼びやすいように「サンタクロース」になった。サンタクロースの赤い服装は1931年、コカコーラ社の公告から由来している。冬になり、販売が激減して苦戦を余儀なくされていたコカコーラ社は、それまで様々な容貌をしていたサンタに、コカコーラのロゴに使っていた赤い服を着せたサンタを創り出した。

◆「消え去ったトナカイ」のテレビ公告を観たことがある。ひょっとしたら「ソリが重すぎる!」と、自分から逃げ出したのではないだろうか。トナカイもまた、公告の中から誕生した。シカゴにあるモンゴメリー・ウィド百貨店の公告部に務めていたロバート・メイ氏が、1939年にトナカイのキャラクターを誕生させた。その後、クリスマスの公告用チラシに用いられるようになった。トナカイの鼻が赤いのは「酒を飲んだから」「寒いから」「寄生虫があるから」など、様々な解釈がある。トナカイが、たった一晩のうちに世界中の子どもたちにプレゼントを届けるには、ソリはどれぐらいの速度で走らなければならないのだろうか?ソリの大きさは?ひょっとして、サンタクロースが、動物虐待の罪で告発されるのではないかと心配だ。今年は、不景気でブルー・クリスマスになる見込みだそうだ。それでも、皆の気持ちだけは豊かであることを祈りたい。メリー・クリスマス!

金美珍(キム・ミジン)客員論説委員(小説家)usedream@yahoo.com