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[社説] 「洪錫鍱駐米大使」への見方

Posted December. 17, 2004 23:24,   

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洪錫鍱(ホン・ソッキョン)中央日報社会長が駐米韓国大使に内定された。大手新聞社のオーナーが、韓米関係を外交一線で調整し管理する責任者として起用されたのだ。大統領府は「韓国に対する米国の世論や識者の理解を高めるためだ」と説明しているが、言論関係者しかもオーナー経営者による政権への参加が、果たして望ましいものなのかについては、意見が分かれているのが事実だ。歴史や経験はいつも言論に対し、権力とは一線を画した方がいいと忠告していた。

洪内定者が取り組むべきことは多い。第一の課題は、韓米同盟関係の新しい枠組みづくりに向けて米国社会の信頼と支持を得ることだ。この半世紀の韓米同盟は成功的だった。朝鮮半島や北東アジアの平和と安定を支える中心軸の役割を果たし、韓国の安保や経済成長もその基礎の上で可能だった。こうした関係がこれ以上揺れることがないようにすべきであり、さらにこれからの新しい半世紀を共に歩んでいくための未来の同盟関係を築いていかなければならない。

重要なのは信頼だ。たとえ、両国の一部から極端な主義、主張が唱えられても互いに信頼し合うことだ。北朝鮮の核問題を巡る足の乱れも、結局は信頼不足にその原因があるのではないか。懸案になっている在韓米軍の「戦略的な弾力性」問題も信頼をなくしては解決できない。洪内定者が持つ様々な経歴と人的ネットワークが、韓米間の信頼を深める上で役立つことを願う。

韓国のように超党派外交の伝統を持たない国において、大使の振舞はいくら注意してもし過ぎることはない。政治家出身の大使による大衆迎合主義や職業外交官出身の硬直さは、いずれも批判された前例がある。「洪内定者を次期の国連事務総長に推すことにした」「特定の大企業の人材や物的資産を対米外交に活用すべきだ」との声も出ているが、これは余計な誤解を招くだけだ。駐米大使が国連事務総長の立候補に向けてキャリアを積むための職ではない。韓米間に横たわる懸案の解決にひたすら専念することこそ、駐米大使のあり方だろう。