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スクーリーンの仮面をしたミュージカル

Posted December. 08, 2004 23:01,   

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8日封切された映画「オペラの幽霊(The Phantom of the Opera)」の音楽とシナリオ(共同)の製作を受け持った人が、同名のミュージカルを作曲したエンドル・ロイドウェバだということは、この映画がなぜ「映画っぽい」というより「ミュージカルっぽい」のであるかを物語る。1986年、この卓越したミュージカルを披露してから、ロイドウェバはちょうど映画「ロスト・ボーイ」(1987年)で視覚的に胸に焼き付けられるようなセンスと音楽的な理解を表現したシュマハ監督にこのミュージカルの映画演出を依頼した。

この映画は、ファントムの過去など、ややサイドストーリーが加わったものの、ミュージカルを解釈しなおしたり、構成しなおしたりするよりは逆に忠実に復元しようとする。ミュージカルとの違いといえば、観覧料が12万ウォン前後(R席の場合)からたった7000ウォン(ソウルの場合)に減ったということと、中間休息抜きで2時間26分をずっと座りっぱなしでみなければならないということくらい。

美しい声で無名歌手から一躍オペラスターに躍り出たクリスティンは、暗いながらも天才的な音楽性の持ち主であるファンダムに魅かれ、地下世界に姿をくらます。顔の半分を仮面で隠したファンダムの秘密を知るようになったクリスティンは、地下世界から飛び出し、劇団のスポンサーである若くて魅力的な貴族・ラウルと愛に陥る。二人の愛をねたみと憤りのなかで見守っていたファンダムは、仕返しを誓う。

映画「オペラの幽霊」で内容ほど大事なのはカメラウォークだ。撮影のテクニックは、ミュージカルを見るという私的で3次元的な経験をスクリーンという2次元的でコピーされた空間に移すことにある。この映画は、カットを分けずに上から下にずっと見下ろす撮影のやり方を通じて、オペラの舞台と地下世界が持つものすごい空間感を心理的な大きさで寄せてくるようにする。

それに対し、華々しいオペラ公演の場面は、カットをきめ細かに分けて撮ることによって、強烈なスペクタクルとダイナミズムを作り上げた。

原作のミュージカルの有名なレパートリーがそのまま聞けるということだけでも映画は見るに値する。ところが、贅沢なセットと衣装、大規模な出演陣などにかかった1億ドル(約1000億ウォン)の制作費からすれば、この映画が以外と静的な感じを与えるのも事実だ。これは、映画的なメリハリやストーリーの構造よりは、登場人物の足跡の音さえ抑えたまま、歌に音響を集中させるほど、ミュージカルの文法と呼吸に忠実なこの映画の欠点だ。

ミュージカルでは、創造的な舞台装置に支えられて、ベストシーンとされる場面、たとえば映画館内の大型シャンドリエが観客席に崩れ落ちる場面や、ファンダムの船が地下世界を滔々と進んでいく場面(実際、船は動いていないが、左右に並んでいるたいまつを動かすことによって、前に進むような錯視効果を出した)が、いざ映画ではストーリーの展開のスピード感の中に埋まってしまったことも脈を同じくする。「ムーランルージュ」「シカゴ」などのミュージカル映画とは違って、この映画はせりふがほとんどなく、歌を中心にストーリーを繰り広げている。

クリスティン役のエミ・ロサム(『トゥマロー』)、ファンダム役のジェラド・バトラ(『トゥームレーダー2:パンドラの箱」』、ラウル役のペトリク・ウィルスン(『エイジェルス・イン・アメリカ』)は、映画の知名度に比べれば新人に属するが、ロマンチックで魅力的な上、歌も上手だ。ただ、ミュージカルと違って映画では、「宿命的」のようにつくクローズアップは、ロサムの表情の種類と内容の単調さを際立たせている。まして、彼女の目の下のほくろも余計目障りだ。12歳以上観覧可。



李承宰 sjda@donga.com