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「脱北者の北朝鮮密入国」の波紋

Posted December. 02, 2004 23:06,   

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脱北者が北朝鮮に戻ってスパイ教育を受けた後、秘密裏に韓国に再入国したことが分かり、政府による脱北者の管理に盲点があることが明らかになった。

国家情報院は2日、脱北者の李容疑者(28)に対して国家保安法の「潜入脱出及び会合通信罪」を適用し、不拘束起訴で検察側に送り、現在大田(テジョン)地方検察庁で調べを受けていることを発表した。

昨年1月、韓国に入国した李容疑者は今年4月、家族との再会のために再び北朝鮮入りしたが、北朝鮮当局に捕まって脱北者の定住施設である「ハナ院」や、脱北者に対する取り調べ機関である「テソンゴンサ」などに関する情報を渡したうえ、スパイ教育まで受けていた。その後、韓国に入国した彼は、すぐ自首した。

特に、今回の事件は被疑者が自首したことで、全容が明らかになったが、同様の事件が再発する恐れがあるうえ、政府・与党が進めている国家保安法廃止案が可決された場合は、こうした事件を実質的に処罰できなくなることが指摘されている。

これに関連して鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官は2日、ソウル世宗路(セジョンロ)の政府中央庁舎で行われた記者との懇談会で、「脱北者が再び北朝鮮入りすることにはいろいろなケースがある。昨年海外旅行に行った脱北者600人のうち、70%が中国を訪問し、現在約400人が旅行の予定期間を超えて長期滞在している」と話した。

このように最近、中国を経由して北朝鮮を行き来する脱北者が増えている中、「利敵行為」をする例も多くなっている。

脱北者のユ氏(36)は、2000年6月に家族を連れてきたいと北朝鮮に戻った後、韓国を誹謗する放送をさせられて、その後、再度北朝鮮を脱出した。1996年に脱北した南(ナム)氏(47)は2000年8月に北朝鮮に戻って韓国の情報機関関連の情報などを北朝鮮の国家安全保衛部に教えた後、韓国入りした。

公安検事出身のハンナラ党の張倫碩(チャン・ユンソク)議員は、「補完策を講じないまま、国家保安法を廃止すれば、同事件の場合は法の適用ができなくなり、潜入脱出や会合通信などで処罰ができなくなる」と指摘した。

一方、ハンナラ党の権寧世(クォン・ヨンセ)議員と、孔星鎮(コン・ソンジン)議員は、「7月の情報委員会の全体会議と、9月の国政監査で『スパイが脱北者になりすまして入国したことがあるか』と質疑したが、国家情報院は『そんなことはない』という答えに一貫していた」と述べて、国家情報院による事実隠ぺいの疑いがあることを指摘した。



taewon_ha@donga.com jin0619@donga.com