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1800年代NY血まみれの「創世記」 映画「ギャング・オブ・NY」

1800年代NY血まみれの「創世記」 映画「ギャング・オブ・NY」

Posted February. 20, 2003 23:06,   

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映画『ギャング・オブ・ニューヨーク』は、ニューヨークの「創世記」を描いた作品だ。

1800年代半ば、ニューヨークのファイブ・ポインツは、詐欺、賭博、殺人、売春など、犯罪がはびこっていた。

しかし、アメリカンドリームを実現しようと、数千人のアイルランド人の移民たちが毎日この地に降り立っていた。「ケリーオニオンズ」「チチェスター」「シャツテイルズ」「デッドラビッツ」など、複数のアイルランド系ギャング団は、「ネイティブ・アメリカンズ」と名乗るアメリカ生まれの住人と葛藤していた。

1846年、「デッドラビッツ」のリーダー、ヴァロン神父(リーアム・ニーソン)が、「ネイティブ・アメリカンズ」のボス、ビル(ダニエル・デイ・ルイス)に無残に殺される。その後、アイルランド系組織は壊滅状態になっていった。16年の時が経ち、ヴァロンの息子、アムステルダム(レオナルド・ディカプリオ)は、父の復しゅうを誓い、ビルの組織に入る。

この映画の見所は、壮大なスケールにある。斧とハンマーを手に数千人が死闘を繰り広げる原始的な戦闘のシーンでは、観客はその爆発的なエネルギーに圧倒される。

マーティン・スコセッシ監督は、1860年代のニューヨークを再現するため、コンピュータ・グラフィックスを一切使わない「リアリズム」を貫いた。イタリア・ローマのチネチタスタジオに昔のニューヨークを再現し、制作費も1億3000万ドルをかけた。

しかし、スコセッシ監督が30年前から構想していたせいか、シーン一つ一つに対する監督の愛着の度が過ぎ、構成の密度が落ちてしまったのは残念だ。また、アムステルダムがジェニー(キャメロン・ディアス)と愛を交わす場面はテーマと程遠い。

この映画が投げかけるメッセージは、それこそ強烈だ。ニューヨークの昼は、住民に脅しをかけるため、その見本として、不良にぬれぎぬを着せ絞首刑に処する。そして夜は、華やかなダンスパーティーが開かれる。

スコセッシ監督は、このようにニューヨークは二律背反的な血とダンスで建設されたという点をあげ、死が即ち生きる原動力であることを示唆する。アムステルダムの復しゅうも、死が生きることを支え、歴史の車輪を回す力になっていると証言しているようだ。

この映画で最も注目を集めたのは、ダニエル・デイ・ルイスの演技。1997年の『ボクサー』以降5年ぶりの復帰となったが、「世界のトップ俳優」という賛辞に値する印象的な演技を見せている。21日ロードショー、18歳以上観覧可。



金秀卿 skkim@donga.com