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インドにソウルよりも広い「再生可能エネルギー発電所」

インドにソウルよりも広い「再生可能エネルギー発電所」

Posted March. 22, 2024 08:11,   

Updated March. 22, 2024 08:11

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「(敷地がどれほど広いか)もう計算できません」(アダニ・グリーン・エナジー・リミテッドのサガル・アダニ専務)

インドとパキスタンの国境にある北西部のグジャラート州。広大な平原に、太陽光パネルや風力発電機が立ち並んでいる。敷地面積は726平方キロメートルで、ソウル(605平方キロメートル)よりも広い。世界で最も人口の多い国であるインドは、2026年に完成予定の世界最大の再生可能エネルギー発電所を建設している。

先月14日に一部運転を開始したカブダ再生可能エネルギー発電所は、インドのクリーンエネルギー企業であるアダニ・グリーン・エナジー・リミテッド(AGEL)が手がけている。AGELでこのプロジェクトを監督するアダニ氏(30)は、22年に世界第3位の富豪でもあった億万長者のアダニ・グループ会長、ゴータム・アダニ氏の甥にあたる。アダニ・グループがインド最大の石炭輸入企業であることを考えると、叔父が化石燃料の売却で得た資金で、甥がクリーンエネルギー事業を行っているのだ。

カブダ発電所は、約200億ドル(約26兆ウォン)が投入される巨大プロジェクトだ。計画通り完成すれば、発電容量は30ギガワットとなる。これは、約1600万世帯に電力を供給できる量だ。アダニ氏は20日、CNNのインタビューで、「野生動物も草木も人もいない広大な荒野に発電所を建設するのに勝る選択肢はない」と話した。

AGELがこれほど大きな賭けに出たのは、インドが世界最多の人口を背景に中国を抜いて「世界の工場」になろうとしているからだ。国際エネルギー機関(IEA)によると、インドは22年の総エネルギー消費量が世界第3位だったが、1人当たりのエネルギー使用量は依然として世界平均の半分にすぎない。

これは、エネルギー需要が増加する余地が限りなくあることを意味する。実際、インドのエネルギー需要は00年からの20年間で倍増した。モディ首相は、70年までにインドで炭素中立を達成するという目標を掲げている。

しかし、石炭は依然としてインドの発電量の約7割を占めている。AGELの親会社であるアダニ・グループも、炭鉱事業が大きな比重を占めている。そのため一部では、アダニ・グループが再生可能エネルギー発電所を通じて「グリーンウォッシュ(本当は環境に配慮していない商品やサービスをあたかも良さそうに見せかけること)」を図っているのではないかと疑っている。

アダニ氏はこれに対して、「インドが中国、欧州、米国のように(エネルギーを消費して)クラスなら、世界の気候の未来は非常に暗いものになるだろう」と発電所設立の正当性を説明した。しかし、グループの化石燃料への投資には、「インド人が中産層に発展するのを止めることはできない」という相反する態度を見せた。


洪禎秀 hong@donga.com