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民事裁判6千億ウォン支払い命令のトランプ氏、保証金確保できず

民事裁判6千億ウォン支払い命令のトランプ氏、保証金確保できず

Posted March. 20, 2024 08:40,   

Updated March. 20, 2024 08:40

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「努力したが、保証金を用意することが現状では不可能だ」

家族会社のトランプグループの資産価値を過大申告し、不当に利益を得たとして、先月、民事裁判の1審で敗訴したトランプ前米大統領(写真)が、罰金4億5400万ドル(約6千億ウォン)の保証金を納められず、資産を差し押さえられる危機に陥った。 控訴期間中に資産の差し押さえを防ぐためには、25日までに保証金を納めなければならない。だが、現状では保証金を用意する術がない。

トランプ氏はこれとは別に、4件の刑事起訴、セクハラ、名誉毀損による民事訴訟もある。このため法的費用が雪だるま式に膨らみ、11月の大統領選挙を控えた資金難と司法リスクが現実のものになっているという観測が流れている。

● 25日までに保証金を納めなければ差し押さえ

トランプ氏側の弁護士は18日、ニューヨーク州控訴裁判所(高裁)に提出した書類で、「保証金の確保が実質的に不可能」と明らかにした。保証金の調達のためにバークシャー・ハサウェイなど30社以上の金融会社を訪れたが、トランプ氏が所有する不動産を担保に保証金を融資する会社を見つけられなかったという。

米ニューヨーク・タイムズは、トランプ氏が約3億5千万ドルの現金を保有していると推定した。ただし、保証金を借りるための債権担保額である5億5千万ドルには大きく及ばない。トランプ氏側はすでに先月、敗訴直後から保証金を1億ドルに大幅に下げてほしいと要求してきた。

トランプ氏が25日までに保証金を納められない場合、裁判所は資産を差し押さえるか、控訴を拒否することができる。トランプ氏を詐欺の疑いで訴えたニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は、保証金を用意できない場合、トランプ氏が保有するニューヨーク・マンハッタン・ウォール街40番地のトランプビルを差し押さえる考えを示した。

4件の刑事起訴のうち、トランプ氏が2016年の大統領選の直前、元ポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんへの口止め料の支払いのために、トランプグループの帳簿を改ざんした疑いに対する裁判は来月始まる。

このようなトランプ氏の司法リスクが中道層有権者確保の障害になっているという指摘もある。18日、政治メディア「ポリティコ」の世論調査によると、浮動層回答者の36%が、「トランプ氏が有罪判決を受ければ、大統領選で支持しない」と明らかにした。

● マスク氏「トランプ氏と金の話はしない」

トランプ氏は3日、フロリダ州の邸宅「マール・ア・ラーゴ」で、世界的な富豪であるテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)とも会った。当時、同紙は、純資産が少なくとも2千億ドル(約270兆ウォン)にのぼるマスク氏が資金難に陥っているトランプ氏を支援すれば、11月の米大統領選のライバルであるバイデン大統領の財政的優位性を相殺することができると指摘した。

しかし、マスク氏は18日,CNNのインタビューで、トランプ氏が自分に寄付を要請したかと問われ、否定した。また、トランプ氏が法的保証金を支払うことを助けるために金を貸したくないと繰り返し強調した。「大統領選の支持候補を決めた後は、献金するのか」という質問にも、「その可能性はない」と話した。マスク氏は6日、自身が所有するソーシャルメディアX(旧ツイッター)でも、「米大統領候補2人のうち誰にも献金しない」と明らかにした。

トランプ氏は最近、バイデン政権が大々的な規制を表明した中国の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」に対しても、連日好意的な発言をしている。これは、TikTokの親会社である中国バイトダンスの主要株主であるウォール街の実業家ジェフ・ヤスSIG共同代表から選挙資金の支援を受けようという思惑と無関係ではないと分析されている。一部では、トランプ氏が再選すれば、ヤス氏が第2次トランプ政権の財務長官に起用される可能性があるという観測まで流れている。


ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 weappon@donga.com