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1週間で運賃4倍上昇、紅海海上貿易の混乱で農産物価格まで高騰

1週間で運賃4倍上昇、紅海海上貿易の混乱で農産物価格まで高騰

Posted December. 25, 2023 08:19,   

Updated December. 25, 2023 08:19

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紅海での運航停止による物流危機が世界経済を脅かしている。パレスチナの武装組織ハマスを支持するイエメンの反政府勢力が紅海で民間船舶への攻撃を続け、アジアと欧州を結ぶ最短航路が閉ざされたためだ。この影響を受け、国際海上運賃が急騰し、最近安定傾向を示していた国際原油価格も変動している。ただでさえ中東∙ヨーロッパで起きている2つの戦争で世界経済の不透明感が増している中、今回の危機でグローバルサプライチェーンの混乱とインフレリスクの再燃が憂慮されている。

紅海はスエズ運河を通ってアジアとヨーロッパの間を行き来する船舶が通る道だ。世界の商品貿易量の12%、海上コンテナ荷動き量の30%を担っている。中東から欧州・北米に輸出される石油や天然ガスの大部分もここを通過する。ところがイエメン反政府勢力による無差別船舶攻撃で、韓国の海運会社HMMをはじめ、世界10大海運会社のうち9社が最近、紅海運送を停止した。大半の船舶が紅海を避けてアフリカ大陸最南端の喜望峰経由に変更し、数千キロの迂回を余儀なくされている。

この影響で、パンデミックが終わってやっと回復の兆しを見せていたグローバル海上運賃は1週間で3~4倍に高騰した。中国から英国へのコンテナ運送費は4倍以上上昇したという。イケアなどグローバル流通企業は物流混乱により配送が遅れる可能性があると明らかにした。海上運賃の高騰を受けて、航空運賃、陸上運賃も連鎖的に値上がりしている。紅海での危機が長期化するほど物流費が急激に跳ね上がり、製品価格全体の上昇圧迫につながり、インフレが再燃する恐れがある。

すでに国内産業界は打撃を被っている。特に賞味期限が短い食品の場合、運送遅延による国内供給への影響は避けられなくなった。その上、全国を襲った厳しい寒さと大雪で農産物の価格まで高騰し、食品価格管理にも赤信号が灯った。生鮮食品の価格がすでに2ヵ月連続で2桁上昇したのに続き、寒波による農産物の供給途絶まで重なり、食品の値上げが加速している。

農産物や石油類を除いたコアインフレ率は最近3%以下に落ちたが、物価管理の手綱を緩める時ではない。米・中対立によりサプライチェーンのリスクが常態化する中、中東戦争の火の粉が紅海での物流危機でさらに飛び火し、世界の経済安全保障をさらに揺るがしている。政府と企業は最悪の状況に備えて、コンティンジェンシープランを用意しなければならない。世界の物流の要衝地が相次いで戦争のとばっちりを受けている中、国際貿易状況を常にモニタリングし、先手を打つ体制を構築しなければならない。