Go to contents

建築と場所との関係

Posted June. 05, 2023 08:22,   

Updated June. 05, 2023 08:22

한국어

「誰が、いつ、なぜ、どのような制約の下で、どんな方法で(都市の建築物と空間を)作ったのか調べない人に、都市はただ自分を見せるだけで親切に話しかけることはない」(柳時敏『ヨーロッパ都市紀行1』

都市と建築に関する文を書く度に、「私だけの観点と解釈」について考える。そして、その答えをできるだけ一つの建築と場所(text)よりは、他の建築と場所間の関係、すなわちコンテキスト(context)で探そうと努力する。都市計画と設計を勉強し経歴を積んできた私だけの「違い」が、その地点にあると思うからだ。

ところが、このような「違いの戦略」を誰かに説明するのは容易ではなかった。その後、柳時敏(ユ・シミン)作家がヨーロッパの4都市を探査して書いた本の序文に載せられたこの文章を読んで、私がしたい説明を本当に簡明に整理したという気がした。以後、この文章を活用して、自分だけの違いを誰かに説明したりする。

考えてみれば、見慣れない都市を旅行しながら建築と場所が作られるようになったコンテキストを把握する過程は、都市を計画し設計することと似ている。見知らぬ都市に行けば、自分の位置から分かるように、都市計画と設計の始まりも該当都市のポジショニングを把握することだ。

それから、都市の目指すところを設定し、それに達する方法を探すが、建築と場所のコンテキストを基盤に戦略を策定すれば、計画と設計は未来に向けた明澄な道しるべになる。ここに計画家がコンテキストを細かく分析し、洞察力のある観点でテキストを再度分類すれば、都市は新しい未来を持つことになる。

都市で建築と場所は一人では存在できない。むしろ周辺状況と絶えず交流する媒体と見る観点がより妥当だ。このような観点は計画家や設計家だけでなく、政策決定者や市民にも必要だ。地方自治体が野心的に発表する未来都市開発の鳥瞰図を見るたびに、新しいテキストが既存のテキストとどのような関係を結ぶのか想像してみる。