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アインシュタインに友人がいなかったら

Posted November. 20, 2020 09:29,   

Updated November. 20, 2020 09:29

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マスクをつけて一般物理学の中間試験を受けた。この日、教室で1年生の学生たちに入学後初めて会った。一ヶ月後は、一学年を終えなければならない。学校が扉を閉じたままもう1年が過ぎ去ったのだ。

とある男子学生が試験を受けた後、面談を申請した。「一人で勉強したら、没頭できず、自分できちんとやっているのかどうかわかりません」。この学生は、友人もいないようだった。この人に、何とかしてでも友人を作って一緒に勉強をしてみろとアドバイスした。友人を作るためには、こちらから近づいていく心構えが必要だ。そしてやってみたいことをやるように言った。今はよいチャンスかもしれない。それは趣味かもしれないし、無駄なことかもしれないが、自分がやりたかったことをやる時だ。

物理学は孤独な学問だが、だからといって一人だけではできない学問だ。多くの参考文献を通じて道を探し、他人の研究を通じて自分の創意的な考えを一般化する学問でありながら、対話を通じて完成していく学問でもある。仲間と議論をしてセミナーに参加することは、他の学者たちから刺激を受けて一緒に問題を解決する可能性があるからだ。意外に他人の考えを通じて、目に見えなかった新たな道を発見することも多い。

アインシュタインは1896年に大学に入学して、一人や二人の友人と一緒に自分が捕われていた問題について熱心に勉強して共有することが好きだった。彼は依然、自分は放浪者であり、孤独だと思っていたが、友人たちとコーヒーを飲むためにカフェを訪れ、自由奔放な友人や仲間たちと一緒に音楽コンサートを楽しんだ。学生時代の友人・マルセル・グロスマンに会ったのは、彼には大きな幸運だった。グロスマンは、講義を頻繁にサボっていたアインシュタインに、自分のノートを見せた。試験を準備しなければならないアインシュタインにとって、そのノートは救世主と同じだった。グロスマンは、アインシュタインが特許事務所に就職することを支援し、特殊相対性理論を一般相対性理論に発展させるために絶対必要だった重要な数学的計算を手助けした。このような友人がいるということは、アインシュタインには何事にも変えられない祝福ではなかったのだろうか。

アインシュタインのバイオリン演奏は、趣味以上のものだった。彼はモーツァルトとバッハが好きだった。彼にとって、音楽は現実から脱出というよりは、宇宙に隠されている調和、偉大な作曲家の創造的天才性、言語を超えた美しさの発見を意味した。彼は、音楽と物理学の両方から調和の美しさを追求した。彼がどれほど音楽に情熱的だったかというと、ある日、下宿の隣でピアノの音が聞こえてくると、アインシュタインはバイオリンを持って隣に駆けつけて、モーツァルトのソナタを一緒に演奏するほどだった。その後も音楽は彼には、物理学と共に永遠の友達だった。

アインシュタインは、最下位に近い成績で大学を卒業した。この事実は興味深いことでもあるが、素晴らしくて、私たちには何か分からない慰めを与えたりする。「面談を申請した友人が大学での成績を離れて、素晴らしい友人を作り、生涯自分の人生を輝かせる趣味を持つことができれば…」と思う。