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「トランプ式米朝首脳会談」は終わった

Posted November. 11, 2020 08:43,   

Updated November. 11, 2020 08:43

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民主党大統領選候補のバイデン前副大統領が米大統領選で勝利し、2021年1月20日に大統領に就任することが確実になった。大統領選の勝敗を決める選挙人確保でバイデン氏は当選に必要な270人以上を確保した。まだ最終合計は出ていないが、バイデン氏は全体の票集計でもトランプ氏より少なくとも400万票以上獲得することは確実だ。普段なら民主党が熱狂的に祝うに値する。

しかし、今は正常な状況ではない。波瀾万丈だった任期の間、多くのルールを破ったトランプ氏は、バイデン氏が選挙で勝利したことが確実になると、結果を受け入れる伝統を拒否している。その代わり、トランプ氏は選挙結果が詐欺だと主張し、全国各地で結果に反発して提訴している。むろん、トランプ氏は2021年1月20日まで大統領だ。多くの訴訟で証拠が不十分だが、いつトランプ氏が敗北を受け入れるか分からない。理論的には、トランプ氏に対する強い制度的圧迫があるだろうが、選挙人投票がある12月初めまでこの難局は続くだろう。このため、バイデン政権への転換は遅くなり、頭の痛いことになるだろう。

さらに重要なことは、バイデン氏と民主党支持者が望み、期待したよりも勝利の差が小さいということだ。トランプ氏の支持率が5割を大きく下回らない状況で、トランプ氏の選挙敗北はこの4年間の拒否を意味すると見ることはできない。米国は深く分裂した国家として残ることになった。共和党が予想に反して上院で多数を占めるとみられ、民主党は引き続き下院を統制できるようになったが、票差は予想外に小さかった。

トランプ氏は選挙で負けたが、トランプ氏を支持する共和党支持層の熱烈な支持は受け続けるだろう。バイデン氏は、新型コロナウイルスと深刻な不景気に対応するために国を団結させようとするだろう。しかし、バイデン氏の希望は、抵抗する上院、深く分裂している大衆との厳しい戦いを迎えることになるとみられる。

バイデン氏は、トランプ氏の一方主義外交と決別すると公言してきた。しかし分裂した政府は外交政策で影響力が落ちるだろう。米国は世界に新しいイメージを示すだろう。この4年間、予測不可能でしばしば自分勝手に行動する大統領を経験した。このため、全世界の友人と同盟が、友人だけでなく敵に対しても礼節を守る指導者の下で、米国が伝統的な(外交)方式に復帰することを歓迎するだろう。バイデン氏は経験豊かな国際主義者で、連邦上院議員や副大統領を経験した。大統領就任後、バイデン氏の初の行動は、パリ協定の離脱を撤回することだ。再び、米国人が国際機関でリーダーに浮上することが期待される。

中国は新たな大統領に最も難しい外交政策の相手になるだろう。バイデン氏は、中国が国際ルールを守らないというコンセンサスが超党派的に形成されているため、中国に強硬な態度を示すだろう。しかし、一方的に中国に対して制裁と関税を課すよりも、同盟国との協力に再び重点を置くと期待される。バイデン氏は選挙期間中、国内の雇用創出の重要性を強調した。また、民主党の多くの人が保護主義だ。このため、バイデン氏は就任当初、環太平洋経済パートナー協定や東アジア諸国との自由貿易協定を受け入れないだろう。

バイデン氏は、韓半島に対して非常に親近感を持って、大統領を務めるだろう。バイデン氏はある寄稿を通じて、韓国人に対する温かい尊敬を示し、「東アジアと平和を守るために同盟を強化し、韓国と共にする」と宣言した。特に、「軍隊を撤収するという無謀な脅迫で韓国人を恐喝しないと約束する」と述べた。バイデン氏が韓半島問題を扱う時、韓国を中心に置く考えを明確にしたとみられる。バイデン氏は、トランプ氏のように展示用の首脳会談を北朝鮮としないだろう。その代わり慎重な準備と韓国との緊密な調整を基に北朝鮮に接近するだろう。韓半島平和に向けた進展は、多くの韓国人が考えるより長くかかるかも知れないが、互いの利益を基盤に一層強固になされるだろう。