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文大統領は北朝鮮政策の方向も人も変えろ

文大統領は北朝鮮政策の方向も人も変えろ

Posted June. 18, 2020 08:22,   

Updated June. 18, 2020 08:22

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大統領府は17日、北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対する非難談話をめぐって、「非常識な行為であり、北朝鮮側は基本的な礼を尽くさなければならない」と述べた。そして、「このような分別のない言動をこれ以上耐えられない」と警告した。前日、文大統領の「南北共同宣言」20年の記念演説を「恥じ知らずの詭弁」、「弁明と術数」と述べた与正氏を批判したのだ。大統領府が現政権発足後、最高潮に北朝鮮への批判を強め、国防部と統一部も北朝鮮側の交渉相手の総参謀部、統一戦線部の非難談話に対抗した。

 

北朝鮮は、南北共同連絡事務所の爆破に続き、17日に開城(ケソン)工業団地、金剛山(クムガンサン)観光地区に軍隊を再び駐留させ、西海(ソヘ・黄海)上の軍事訓練を復活させると発表した。事実上、南北軍事合意まで白紙化するという警告だ。そのような北朝鮮の考えを一部表わしたのが、与正氏が16日に出した長文の対南非難談話だ。与正氏はこの2年間、韓国政府が南北合意より韓米同盟を優先し、北朝鮮制裁の枠組みを越えることができなかったと非難した。「非核化」は一言もなかった。非核化にこだわらず北朝鮮側に立てということだ。

もはや政府の北朝鮮政策の基調を全面的に見直さなければならない。文政権の北朝鮮政策は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の非核化の約束を前提に作られた。これをベースに米国を説得し、米朝交渉が始まった。しかし、米国は北朝鮮に非核化の意思がないと判断し、昨年、ハノイ米朝首脳会談が決裂し、北朝鮮に対する制裁は続いた。

不正確な状況判断と方向設定をしてきた外交安保ラインも大幅に交代しなければならない。北朝鮮は昨年から対南強硬路線に旋回したが、外交安保ラインは根拠のない楽観論にしがみつき、対南挑発の対応に失敗した。金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官が17日、辞意を表明したが、大統領府国家安保室も責任から逃れることはできない。現在、安保室の主軸は核問題とは縁のない通商外交出身だ。彼らはこれまで、外交安保懸案に対する判断を誤り、能力の限界を露呈したと指摘されてきた。戦争中に将帥は代えないというが、将帥の役割がまともにできないなら、交代を躊躇してはならない。

 

政府の一部では、今回の対南挑発は与正氏が主導しているので、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との首脳会談を図ろうとするムードもあるが、緻密に準備されていたとみられる北朝鮮の強硬路線は急旋回が難しいだろう。正恩氏が非核化を決心しない限り、イベント式首脳会談が開かれても、結局は空回りするだろう。正恩氏が国内移動時に利用する飛行機が17日に東海岸に向かったのも、追加挑発の可能性と無関係ではなさそうだ。北朝鮮は今、中間駅を無視して暴走する列車も同然だ。非核化の意思も全く見られない。今こそ北朝鮮の非核化が確固たる目標であることを確認し、戦略を立て直さなければならない。