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職場から押し出され、社会で行き場のない40代の危機

職場から押し出され、社会で行き場のない40代の危機

Posted December. 04, 2019 08:33,   

Updated December. 04, 2019 08:33

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韓国社会と経済の中心を担う40代に、警告音が鳴っている。40代は、経験と推進力を一緒に備えているので、職場で柱となって働く歳であり、家庭では盛んに学校に通う子供たちを育てる時期だ。しかし、唯一韓国で、40代は仕事を失うか、会社に勤めていても上下に押さえ付けられて、自分の声を出せない「板挟みの世代」となっている。

雇用市場で40代が置かれた状況は惨憺たるものだ。10月の全体雇用率は61.7%で、23年ぶりに最高値を更新した。20代から60代、70代までがすべて雇用率が伸びたものの、40代だけが、就業者数が43万6000人が減少し、雇用率も下落した。40代の就業者数は、2015年から4年間減り続けている。製造業の不況で廃業と構造調整が増え、40代がその直撃を受けたのだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も10月の経済閣僚会議で、40代と製造業の雇用減少を「最も痛い部分だ」と指摘するほどだ。1970〜1979年生まれの40代は、最近の経済難を全身で体験した世代だ。盛んに職を追い求める20代に通貨危機に見舞われ、働き口が狭くなったし、家庭をつくる30代にはグローバル金融危機に見舞われた。最近は、造船業と海運業、自動車業界の構造調整により、失業に追い込まれた世代も主に40代だ。

40代の危機は、当事者だけでなく、社会全体の経済に問題を起こす。生産性が最も高い40代が、職場から押し出される状況が続けば、中長期的には産業全般の競争力を落としかねない。子供たちが盛んに育ち、支出も活発な40代が、経済的に困ることになれば、家庭が打撃を受けるだけでなく、社会全体の消費が減り、成長率にも悪影響を及ぼす。

しかし、政府と社会の認識はまだ安易だ。政府の雇用支援政策は若年層と60代以上の高齢層にのみ集中しており、40代のための支援は不十分だ。来年の総選挙を控えて、青年層の政治参加の声や高齢層に向けた公約はあふれているが、40代は、ここでも冷遇される。今からでも4年連続減少した40代の雇用を増やすための対策を講じなければならない。政府と民間が一緒に40代の再就職のための相談サービスを増やし、製造活性化のための競争力強化策など、長短期のパッケージ対策が出なければならない。