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北朝鮮が挑発、迎撃できないミサイルを発射

北朝鮮が挑発、迎撃できないミサイルを発射

Posted May. 06, 2019 08:52,   

Updated May. 06, 2019 08:52

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北朝鮮が4日、東海(トンヘ・日本海)上に米国の迎撃を避けることができる「北朝鮮版イスカンデル」と推定される短距離ミサイルを発射して約1年5ヵ月ぶりに挑発を再開した。トランプ米政権が対北朝鮮政策の「路線変更」を警告した中、国連の北朝鮮制裁決議違反であるミサイル発射で武力示威に出たのだ。特に、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、「戦闘力強化のための闘争を粘り強く展開しなければならない」とし、さらなる挑発の可能性を示唆した。しかし政府は、北朝鮮が発射したミサイルをめぐって「短距離発射体」という見方を示し、対話再開に期待をかけた慎重な立場を堅持した。

北朝鮮の朝鮮中央通信は5日、金正恩氏が前日、東海上で行われた軍事訓練を指導したと伝えた。また、同通信は訓練に登場した兵器について、「大口径の長距離放射砲」と「戦術誘導兵器」と明らかにし、発射の様子が写った写真を公開した。

北朝鮮が明らかにした新型戦術誘導兵器はロシアのミサイル「イスカンデル」の改良型と推定される。米国の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)などの迎撃を回避するために考案されたロシアのイスカンデルは、最大射程距離が500キロに達し、核弾頭を搭載できる弾道ミサイルだ。ロシアのイスカンデルと酷似した北朝鮮の戦術誘導兵器は4日、240キロ離れた咸鏡北道花台郡舞水端里(ハムギョンプクト・ファデグン・ムスダンリ)付近の岩島に命中したという。

北朝鮮が発射したミサイルが弾道ミサイルと確認されれば、国連の北朝鮮制裁決議案違反だ。国連安全保障理事会は2006年、北朝鮮のテポドン発射直後、距離に関係なく北朝鮮の弾道ミサイル発射を禁止する制裁決議案1695号を採択した。

 

しかし、国防部は同日、「北朝鮮の短距離発射体に関する立場」を発表し、「現在までの分析結果、新型戦術誘導兵器を含め240ミリ、300ミリ放射砲を多数発射したと把握している」とし、弾道ミサイルかどうかについては「分析中」と明らかにした。これに先立ち、軍は4日午前9時30分頃、「北朝鮮が短距離ミサイルを発射した」と発表し、約30分後には「数発の短距離発射体を発射した」と修正した。2日間で「ミサイル→短距離発射体→戦術誘導兵器」と3度にわたって表現を変えたのだ。大統領府も4日、国家安全保障会議(NSC)の代わりに関係省庁長官級会議を開き、「軍事的緊張を高める行為を中止することを求める」とし、「北朝鮮が早急な対話再開の努力に参加することを期待する」と明らかにした。

トランプ大統領は4日(現地時間)、ツイッターに「金正恩氏は私との約束を破るつもりはないだろう」とし、「ディール(取引)は起きる」とし、対話の基調を維持した。ただし、「金正恩氏は北朝鮮の素晴らしい経済的潜在力を十分理解しており、それを邪魔したりだめにしたりすることはしないと信じている」とし、挑発が続けば対話の局面が終了する可能性があることを迂回的に警告した。


ムン・ビョンギ記者 ソン・ヒョジュ記者 weappon@donga.com · hjson@donga.com