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金正恩氏の「善意」に頼った非核化の虚構性を学習した1年

金正恩氏の「善意」に頼った非核化の虚構性を学習した1年

Posted April. 27, 2019 08:31,   

Updated April. 27, 2019 08:31

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が板門店(パンムンジョム)で首脳会談を行ってから今日で1年を迎えるが、今日午後、韓国単独で行う記念式は1年の夢と現実を物語る。両首脳は手を握って軍事境界線(MDL)を行き来し、徒歩橋でも対話をしたが、あの時の感激と期待とは違って、北朝鮮の非核化は依然として遠く、南北、米朝関係も膠着した状態だ。

「板門店から1年」が道に迷った最大の原因は、金正恩氏が約束に反して非核化に対する誠意ある態度を見せなかったためだ。金正恩氏は1年前の共同メディア発表で、「完全な非核化を通じて核のない韓半島を実現することが私たちの共同の目標」と約束したが、非核化の実践は豊渓里(プンゲリ)核実験場の爆破ショーにとどまり、ハノイでの米朝首脳会談では、非核化の概念、目標を共有しようという米国の要求すら拒否した。

韓半島と北東アジアに平和の新しい時代が開かれるという期待に反し、結果的に米朝交渉は膠着状態に陥り、南北関係まで「韓国側の一方的な求愛と北朝鮮の高圧的な無視」という過去の慢性パターンに戻った。1年前に板門店の徒歩橋で文大統領の説得に耳を傾け、ささやくように話した金正恩氏は、何もなかったかのように韓国を無視している。

そして、北朝鮮は26日、韓国側に「顔色をうかがわずに宣言を履行せよ」と迫った。居直りであり、南北経済協力の範囲と速度をめぐって意見が食い違う韓国と米国を仲違いさせる狙いがある。金正恩氏は、中国の習近平国家主席に続き、ロシアのプーチン大統領を訪れ、制裁に穴をあけ、中ロ朝の接近による対抗戦線を構築することに没頭している。

大統領府は26日、「韓半島の軍事的緊張が緩和し、平和に向けた対話が本格的に始まった」と自評した。実際に対話の糸口が見出されるなど、意味のある進展もなくはなかったが、9・19軍事合意で韓国側の態勢が弱まるなど、誤った加速と優先順位による副作用も大きい。

南北首脳は1年間に3度会い、文大統領は白頭山(ペクトゥサン)にも登り、平壌(ピョンヤン)5・1競技場で演説もしたが、「北朝鮮の非核化」の実体には一歩も近づくことができなかった。対話と交渉を通じて北朝鮮の非核化を説得する努力は決してあきらめてはいけないが、非核化に優先する「南北関係の加速」は決して非核化と平和構築に役立たない。この1年間は、堅固な韓米協力と北朝鮮に対する制裁、そして柔軟だが堂々とした対北政策だけが北朝鮮を非核化と開放に導く可能性があることを再確認する学習期間だった。