Go to contents

終戦後のドイツ、なぜ女性たちは解放を迎えれられなかったのだろうか

終戦後のドイツ、なぜ女性たちは解放を迎えれられなかったのだろうか

Posted December. 22, 2018 08:45,   

Updated December. 22, 2018 08:45

한국어

1945年の第二次世界大戦の終戦は、韓国を含めてほとんどの国では「解放」のような名前でみなされる。しかし、ある人たちにとって「解放」は、もう一つの暴力の始まりだった。敗戦国であったドイツでは、終戦後、実に86万人にのぼる女性が性的暴行の被害に遭った。ソ連軍による被害女性が約50万人で、米軍に性暴力を受けた女性も19万人前後と推定される。70年が過ぎた2015年にドイツで出版された本「兵士たちが到着したとき:第二次世界大戦の末期、ドイツの女性の強姦」が公開されてから、「解放」の裏が正式に暴露された。

戦勝国フランスの植民地アルジェリアでも、終戦は解放ではなかった。1945年5月、アルジェリア・セティフで独立を要求するアルジェリア人たちが、フランス兵士と民兵隊によって、最大で4万5000人が犠牲になった。アルジェリアは至難な闘争の末、1962年になってようやく独立することができた。

「現代史…」は、このように世界で新たに発掘された史料と最新研究を通じて、現代史の定説として固まった歴史解釈に異議を唱える本である。これまで「勝者の歴史」の立場から隠されてきた社会的弱者と被害者たちの生の声を含んだ研究を大量に盛り込んだことが目を引く。

ナチスのユダヤ人虐殺である「ホロコースト」についての最新の研究を見てみよう。旧東ドイツ政府所蔵の資料が秘密解除されて新しく知られた事実は、虐殺は主にガス室などの「工場システム」で行われたわけではなく、直接顔と顔を向き合ったまま行われた「対面虐殺」がほとんどだったという。 「歴史は進歩する」という歴史学の命題に疑問を与える。

逆に、ユダヤ人を救出するために命まで掲げたドイツ軍のアントン・シュミット上司と、スウェーデンの外交官ラウル・ワレンバーグ、ウィーン駐在中国領事何鳳山などは、最近になってその存在が確認された。「悪の平凡性」ではない、人間に「善の平凡性」を示す事例だと著者は説明する。

「現代史は『長期暴力史』と『短期平和史』で構成されている」という著者の解釈のように、戦争と暴力が絶えなかった20、21世紀の現代史の大きな流れと人権、平和のために努力した義人たちの努力が興味深く繰り広げられる。


柳原模 onemore@donga.com