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米国と中国は、貿易戦争と北朝鮮非核化を厳格に区別すべきだ

米国と中国は、貿易戦争と北朝鮮非核化を厳格に区別すべきだ

Posted October. 10, 2018 08:07,   

Updated October. 10, 2018 08:07

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4度目の訪朝を終えて8日、中国・北京を訪れたポンペオ米国務長官が、中国の王毅外相と公開の席で異例にも激しい舌戦を繰り広げた。王氏は、「米国は誤った行動を止めよ」と主張し、ポンペオ氏は「根本的な意見の相違があるようだ」と応じた。習近平主席はポンペオ氏に会わなかった。貿易戦争をしている両国の葛藤が先月末、南シナ海などでの米戦略爆撃機の飛行訓練につながり、北京で感情的に爆発したのだ。

王氏は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に会った結果を伝えて核問題の協力を求めるポンペオ氏に、「安定した米中関係が、北朝鮮の核問題を含む国際問題の協力の基本」とし、「中国は独特で重要な役割をしていく」と強調した。米国が貿易などで継続して圧力を加えるなら、中国は米国が望む方向で協力することはできず、今後北朝鮮に対する影響力を武器に独自の役割をするという警告メッセージだ。北朝鮮への制裁をめぐる米中間の不信がこれ以上深まってはならない。

新冷戦を彷彿とさせるこのような対立が、国際社会が団結した声で北朝鮮を非核化履行の軌道に牽引しなければならない決定的な時に起こることは残念だ。米朝首脳会談や正恩氏のソウル答礼訪問などイベントが推進される状況で、中国が別のことで対応すれば、韓半島問題解決の行程表がさらに複雑になるほかない。国連では中国、ロシアがすでに北朝鮮に対する制裁緩和を求めており、9日、モスクワでは北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官が参加し、北朝鮮-中国-ロシアの3者会談が行われた。近く正恩氏のロシア訪問と習氏の訪朝がなされる場合、北朝鮮が列強の牽制構図を利用して非核化の進行を遅らせることが懸念される。

米国も中国も貿易戦争や台湾問題など別の問題を非核化と結びつけてはならない。特に中国が、米中貿易問題が大きくなると、中朝国境地域での制裁を緩く解き、さらに外相が「安定した米中関係が北朝鮮核問題の協力の基礎」と発言したことは、責任ある国際社会のリーダーとしての態度ではない。北朝鮮の非核化は米国のためのものではなく、北東アジアの恒久的平和と安定のために欠かせないものだ。中国はこれまで核問題を自国の外交安保利益の後に置き、そのような態度が核開発を阻止しようとする国際社会の努力に穴をあけたことは事実だ。米中両国は国際社会の隊列が北朝鮮の非核化完了まで強固に維持されることを明確にし、正恩氏の誤った判断を防がなければならない。