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北朝鮮の査察官受け入れ、核申告を越えた「参観イベント」になってはならない

北朝鮮の査察官受け入れ、核申告を越えた「参観イベント」になってはならない

Posted October. 09, 2018 09:01,   

Updated October. 09, 2018 09:01

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ポンペオ米国務長官は8日、自身の4度目の訪朝について、「我々は重大な進展を成した。引き続き重大な進展を作っていく」とし、査察官がまもなく豊渓里(プンゲリ)核実験場と東倉里(トンチャンリ)ミサイル発射場を訪問することになると話したと、外信が伝えた。米朝両国はそれぞれポンペオ氏の訪朝結果を発表し、「予定された米朝首脳会談」、「迫る2度目の首脳会談」と米朝首脳会談の開催を公式化した。

 

ポンペオ氏の訪朝で修復された米朝関係は、ひとまず査察官の豊渓里、東倉里訪問で長い非核化の旅程を始めるとみられる。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談では、今後の非核化と相応の措置についても深くと議論しただろうが、ポンペオ氏はひとまず北朝鮮の査察受け入れの意思だけ公開した。豊渓里核実験場の廃棄は、当初、正恩氏が韓米専門家と報道機関を招待すると約束した事案だが、いざ爆破イベントの参観に専門家は排除し、「不可逆的措置」なのか懐疑の声が少なくなかった。今回の査察受け入れは、約束から5ヵ月が経ってなされる履行にすぎない。

にもかかわらず、米国はこれまで目標に提示してきた「最終的かつ完全に検証された非核化(FFVD)」の核心である査察・検証の第一歩になると期待しているようだ。しかし、北朝鮮が査察官の豊渓里訪問を許可しても、放射能測定や試料採取のような検証作業を許可するかは未知数だ。さらに米国は非核化の最初の段階である核資産と施設のリスト提出について言及していない。北朝鮮が「主動的先制措置」を掲げ、申告手続きもなく一方的な閉鎖イベントを行った後、事後に現場確認だけ受け入れるなら、検証どころか核の過去も永遠に埋もれてしまう。

このように具体的な非核化は霧の中だが、米朝は首脳間のビッグディールに対する期待だけ高めている。関心事も、首脳会談の時期と場所、特に11月6日の中間選挙の前か後かに向けられている。北朝鮮は選挙後の不確実性を減らすために早期開催を狙っており、米国は選挙戦に役立つ顕著な成果でなければならないため慎重な態度だ。しかし、シンガポールでの首脳会談がそうだったように、大層なイベントだが実質的な成果がないという心配もある。

こうした中、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、「近く正恩氏のロシア訪問と中国の習近平国家主席の訪朝がなされる見通しだ。日朝首脳会談の可能性も開かれている」とし、「韓半島の新たな秩序が作られつつある」と強調した。再び正恩氏が主導する首脳外交への期待を煽る発言ではないか疑問だ。対話の局面が続くよう管理することも重要だが、その過程で失うものはないか気を配ることも韓国の責務であることを忘れてはならない。