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ネットフリックスもレッドカーペットでの自分撮りも「NO」…頑固になったカンヌ

ネットフリックスもレッドカーペットでの自分撮りも「NO」…頑固になったカンヌ

Posted May. 07, 2018 08:12,   

Updated May. 07, 2018 08:12

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自分撮り、メディア向け事前試写、ネットフリックス。

8日(現地時間)に幕を上げる第71回カンヌ国際映画祭では、この3つを見ることができない。芸術性への尊重とハリウッド映画に対抗した多様性で世界3大映画祭に位置付けられたカンヌ映画祭が、今回は、オンラインとモバイルと全面戦争を繰り広げる様子となっている。英米圏のメディアは、「カンヌが時代の流れに遅れている」と批判するが、芸術監督ティエリー・フレモーは、「カンヌは常に議論の中で、新しい実験を行ってきた」と自信を見せた。

レッドカーペット上の「自分撮り」禁止は、フレモーがフランス・メディアとインタビューする過程で分かった。フレモーは、「レッドカーペット上の自分撮りのために動線が狂い、不便を強いられる。(自分撮りをする姿は)美しくない上、奇怪である。映画への尊重を蘇らせることになるだろう」と主張した。「尊重」を言及した部分で、動線の問題よりも、モバイルを通じて映画祭を軽く消費する世相に対して牽制球を飛ばしたものと解釈される。

このような流れは、事前試写の廃止でも表れている。昨年まで記者と評論家は、事前試写であらかじめ作品を見た。このため、製作陣と俳優が酷評洗礼を受けた後、レッドカーペットに登場するきまり悪い状況が演出されることもあった。製作陣の不満を反映したものに見えるが、フレモーはこの措置を説明しながら、ソーシャルメディア「ツイッター」を言及した。彼は、「カンヌで映画のエンディングクレジットが上がるとすぐに、誰もが最初にツイッターに感想を掲載するのに忙しい。しかし、フランソワ・トリュフォー監督が語ったように、過去の評論家たちは、水曜日に公開した映画を一般観客と一緒に見て、金曜日に批評をした」とし、「評論家たちもツイッターの一行感想とは別の次元の批評を考える必要がある」と強調した。

ネットフリックスを外したのはネットフリックスの不参加宣言によって起きたことだが、これも伝統メディアを重視するフランス法と関係がある。フランスでは、劇場上映映画は36ヶ月が経過してから、オンラインやDVDで見ることができる。しかし、ネットフリックスが劇場上映を拒否すると、カンヌはコンペティション部門への出品を禁止し、これを受けて不参加宣言をするに至ったのだ。ネットフリックスは、出品作としてアルフォンソ・キュアロンの「ローマ」などを準備して注目度を高めようとした。オーソン・ウェルズ(1915〜1985)の未公開遺作「風の向こう側」の公開が失敗に終わったのは残念だ。これについてフレモーは「パルムドールの受賞者であり、審査委員長だったオーソン・ウェルズがカンヌに来られなかったのは残念だ」と明らかにした。

それでも今年のカンヌではそうそうたる作品が待っている。コンペティション部門にフランスのジャン=リュック・ゴダール監督の新作「イメージの本」、米国のスパイク・リー監督の「ブラック・クランスマン」、イランのジャファール・パナヒ監督の「スリーフェイス」などが招待された。2011年にカンヌ映画祭でナチス擁護発言で追放されたラース・フォン・トリアー 監督も非コンペティション作「ジャックが建てた家」で7年ぶりに帰ってきた。李滄東(イ・チャンドン)監督が8年ぶりに発表した「バーニング」も受賞を狙っている。チョン・チャンイル映画評論家は、「李滄東監督の映画6本のうち5本がカンヌに招待されたし、『密陽』と『詩』が、主演女優賞と脚本賞をそれぞれ受賞した」とし、「『バーニング』も同様に多くの関心を受けるはずであり、良い結果も期待される」と語った。


金民 kimmin@donga.com