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ベネズエラ、世界初の国家発行の仮想通貨

ベネズエラ、世界初の国家発行の仮想通貨

Posted February. 22, 2018 09:15,   

Updated February. 22, 2018 09:15

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「今日、スーパーマン(米国)に対抗できる仮想通貨が誕生した」

仮想通貨採掘機の隣に立ったベネズエラのマドゥーロ大統領が20日、テレビ演説でこのように宣言した。この日から事前販売を始めた国家主導の仮想通貨「ペトロ」は、米国の経済制裁で深刻化する経済難を打開するためのベネズエラの窮余の策だ。21日、ロイター通信によると、ペトロの事前販売初日、マドゥーロ大統領は約7億3500万ドルを得たと明らかにした。しかし、初期投資家が誰なのか明らかにしなかった。販売収益を証明する証拠も公開しなかった。

ペトロはベネズエラの原油埋蔵量のうち50億バレルを担保に発行される。ベネズエラは、自国産原油の価格とペトロの価格を連動させるとしたが、正確な価格計算法は明らかにしなかった。事前販売期間は割引を適用して1ペトロを60ドルと策定し、その後ペトロの価値はオイル価格の変動によって変わる。政府は、60億ドル相当の1億ペトロを発行する計画で、同日から来月19日までの事前販売期間に3840万ペトロを販売する。米ドルのような貨幣(いつでも金や他の貨幣に換金できる貨幣)でのみ購入でき、自国通貨のボリバルではペトロを買うことはできない。

ベネズエラが初の国家主導仮想通貨を導入することにしたのは、深刻なインフレと関係がある。ボリバルの貨幣価値は記録的な低さで、現在1ボリバル=約0.00004ドル。

これに先立ちベネズエラ政府は、トルコ、カタール、米国、欧州の投資家を集めるという計画を明らかにしたが、ペトロの信頼度には疑問符がつく。ベネズエラ政府が抱えている外債だけでも1500億ドルに達する。そのうえ米国は昨年8月から自国の金融機関や個人がベネズエラと金融取引をすることを制限しており、仮想通貨を買うことも制裁違反の恐れがあると警告した。右派野党が掌握した議会も、「議会の同意がないペトロ発行は不法」という立場だ。

しかし、市場の反応は悪くない。代表的な仮想通貨「ビットコイン」は、今月6日、5900ドルラインまで暴落した後、最近上昇傾向を見せ、20日の基準で最大1万1279ドルまで上がった。1万1000ドルラインを回復したのは1月29日以来。英紙エクスプレスは、「ペトロの事前販売が市場の安定に一部貢献した可能性がある」と伝えた。

初の国家主導の仮想通貨を発行したベネズエラの実験が成功すれば、欧米から経済制裁を受けている国家も同様の試みに出ると予想される。代表的にロシアは仮想通貨「クリプトルーブル」の発行を構想していると、英紙フィナンシャル・タイムズが先月、報じた。


ウィ・ウンジ記者 wizi@donga.com