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フレーム戦争

Posted May. 02, 2017 08:35,   

Updated May. 02, 2017 08:35

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最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補は最近、「積弊」という言葉を再び口にしている。特に、第2野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)候補を中心にした「反文(反文在寅)連帯」の動きを「積弊連帯」と攻勢をかける。国民を敵と味方に分けるという批判を受け、公式の選挙戦開始後しばらく自制していた「積弊フレーム」を再び取り出したのだ。捨てるには惜しいほど積弊フレームの効果があったと判断したためだろう。

◆選挙はフレーム戦争だ。規定した枠組み(フレーム)に相手を閉じ込めるために戦略的核心メッセージを持続的に伝える。これのための相手の粗探しがまさにネガティブ(キャンペーン)だ。相手のフレームに一度かかれば抜け出すことは容易でない。今回の大統領選で最大の被害者は安哲秀氏だろう。ある世論調査の結果、ネガティブ攻撃で支持層が離れる程度が、安氏は著しかったという。最近支持率が大きく落ちたのもこのためだろう。

◆安氏の対応もお粗末だった。最悪の失策はテレビ討論で、「私が『甲』哲秀ですか。私がMB(李明博)のアバターですか」と反問したことだ。フレーム理論家のジョージ・レイコフがかつて著書『象のことを考えるな』で警告した事例を知らなかったのだろうか。「ウォーターゲート事件にまきこまれたニクソン大統領がテレビ演説で、『私は詐欺師(crook)ではありません』と言った瞬間、皆が彼を詐欺師と考えるようになった」。相手の攻撃に反論しようと相手の言葉を使えば、有権者の頭の中に一層強いイメージとして残ることになる「フレームの罠」にはまってしまうという話だ。

◆フレームは鮮明でなければならない。レイコフも中道層を狙うと言って自分の陣営の反対側に移動してはならないと警告した。そのため安氏のような中道派はフレーム戦争に脆弱にならざるを得ない。「温かい保守」を掲げた保守系新党「正しい政党」の劉承ミン(ユ・スンミン)候補も同様だ。「殺人犯は許しても裏切り者は許さない」という一言に閉じ込められて抜け出せずにいる。フレーム戦争は政治を両極端に突き進める。その害悪はそうして勝った勝者が耐えなければならない重荷として残る。