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「ありがとう三星」、トランプのつぶやきで大騒ぎとなった三星

「ありがとう三星」、トランプのつぶやきで大騒ぎとなった三星

Posted February. 04, 2017 08:21,   

Updated February. 04, 2017 08:23

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三星(サムスン)電子はこれまで、米国で販売する洗濯機や冷蔵庫、テレビなどの家電製品を主にメキシコのケレタロとティファナ工場で生産してきた。北米自由貿易協定(NAFTA)を受けて関税がなく、米国境周辺にあるので物流移動に有利だからだ。

しかしドナルド・トランプ米大統領がメキシコ製輸入品に対しては20%の爆弾関税を課すと宣言した後、赤信号が灯っている。電子業界の関係者は、「これまで国家間関税は一般的に一桁の概念だったので、20%は本当に衝撃的な数値だ」と話した。

だからといって、中国などのアジアに生産拠点を移すのも容易でない。先月、米国際貿易委員会(ITC)は、中国で生産した三星・LG電子の洗濯機が、ワールプールなどの米企業に被害を与えたと最終的にダンピング判定を下した。日々強化されている米国の保護貿易主義の動きに、「否応なしに」赤字を出しても米国内で生産を強行しなければならない状況となっている。

三星電子の高位関係者は、「ひとまず急務となっている洗濯機から先に、米国内で生産することを検討している」と明らかにした。三星電子は、昨年買収した米有名家電ブランド「デイコール」の米ロサンゼルス工場を増設する案を議論しているという。ただし、敷地購入や州政府との交渉など、複雑な手続きが多く、まだ内部で検討している。

トランプが、三星の名前を直接取り上げながら圧迫に出ると、LG電子など他の企業各社も奔走している。家電製品売上の30%を米市場で稼いでいるLG電子は、今年上半期(1〜6月)、米国内での家電工場設立の妥当性について検討後、設立するかどうかを最終決定すると明らかにした。しかし、LG電子が示した今年上半期まで、トランプが待っていてくれるかどうかは未知数だ

LG電子の北米法人が今月7日、ニュージャージー州で「新社屋着工式」を行うこともこのような雰囲気と無縁ではないという。とある消息筋は「質素に行おうとしていた雰囲気が、米国内への投資圧迫が露骨にされるにつれ、『LGは米国に深く根を下ろしている企業だ』と認識させるべきだというふうに変わった」と話した。そのため、着工式の規模を拡大して、米メディア向け広報も強化したらしいという説明だ。

一方、産業界の一部からは、「韓国の大手企業各社は、トランプ大統領と韓国政府との間で身動きが取れない立場となっている」という不満が出ている。米国の圧迫は激しさを増しているのに、弾劾局面の中、韓国政府の対米交渉戦略がまとまっておらず、「どちらに合わせて行動すべきか分からないのが現状だ」という。

匿名を求めたとある大企業の役員は、「韓国政府は今後、米国との交渉テーブルに出す切り札として、『大手企業各社の米国向け投資計画』を隠しておきたいだろう」と主張し、「政府がいくつかの企業に対して、『個別に対米投資計画を発表しないでほしい』という意思を伝えたという噂まで出ている」と伝えた。



徐東一 dong@donga.com · 夫亨權 bookum90@donga.com